2007年4月17日(火)「しんぶん赤旗」

東京・目黒区 公明党政調費不正の手口

公私の垣根なし 二重使用も


 政務調査費不正問題で六人全員が辞職した東京都目黒区の公明党区議団は、政調費という税金をどう使っていたのか。自ら不適切と認めて区に返納した二〇〇五年度分七百七十二万円を、改めて検証すると―。

形変えた蓄財術

 ひとつながりの領収書があります。受取人はすべてK議員(当時)です。

 〈12月27日〉(1)乗車券一五〇〇円(湘南モノレール大船駅)(2)食事一二六〇〇円(同江ノ島駅一階レストラン)(3)菓子三〇〇〇円(片瀬海岸の菓子店)(4)もなか他二六八〇円(同御菓子司)(5)品代五七七五円(同海産物店)(6)乗車券一二六〇円(江ノ電江ノ島駅)(7)食事一一四八〇円(鎌倉市内)

 〈12月28日〉(8)食事四四七八〇円(横浜中華街)(9)乗車券一三八〇円(地下鉄中華街駅=東京・目黒方面乗り入れ線)

 電車に乗って食事して、土産物も買って…。どうみても年末、小人数の湘南・鎌倉旅行です。それを政調費でまかなっていました。

 「会議費」名目で、〇五年度に使った百八十一件約百五十万円のうち金額の九割以上に当たる百六十九件約百四十万円が「会議に伴う食事・茶菓・弁当代」です。すし屋、うなぎ屋、ファミリーレストランから、東京ディズニーシーで買ったセンベイアラレとライスクラッカー三千円、羽田空港売店の栗きんとん千二百円、ドン・キホーテのチョコパイやヌードルまで会議費で落としています。

 かと思えば出身大学の校友会費が「研修費」に。

 公私の垣根を越えた使い方。私費で払うべきものに公費を使えば、その分、私費が浮きます。形を変えた蓄財術と言われても仕方ありません。

「自分が自分に」

 第二の特徴は“裏金”づくりと見まがうような使い方。領収書が重要な役割を果たしています。

 建設資材会社発行の六万九千円の領収書。公明党目黒総支部が都選管に出した政治資金収支報告書に添付されていました。

 この領収書コピーは、公明党区議団の政調費にもあて先だけを変えて添付してありました。

 領収書の二重使用です。公明党区議団は、架空請求で政調費を受け取っていたのです。

 最たるものが広報紙発行費。〇五年度には一議員が二十万円ずつ三回、六議員計三百六十万円を受け取っていました。

 添付した「領収証」の発行元はそれぞれの議員名をつけた「◯◯区議会通信発行委員会」。住所も記載されていません。いわば「自分が自分に出した」正体不明の領収証です。

 これらまとまった金額の“浮き金”はいったいどう処理されていたのか―。説明は一切ありません。



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