2007年4月15日(日)「しんぶん赤旗」
高さ制限 運動の勝利
京都新景観条例成立でシンポ
京都市で新しい景観政策が九月から実施されるのを前に十四日、「新景観条例成立記念 歴史都市京都の保全・再生をめざして! 成果と課題」と題したシンポジウムが同市内で開かれ、市民や研究者ら六十七人が参加しました。主催したのは、まちづくり市民会議と新建築家技術者集団京都支部、自由法曹団京都支部がよびかけて二月結成した「“新しい景観政策の実現をめざす”きょうと景観ネット」です。
シンポジウムでは、片方信也・日本福祉大学教授があいさつ。市民会議事務局代表の中島晃弁護士と同代表委員の木村万平さん、中林浩・平安女学院大教授、梶浦恒男・大阪市立大名誉教授が報告し、京都のダウンゾーニング(高さ引き下げ)の試みを全国に広げる意義を語りました。
中島弁護士は、市民の歓迎の声に触れ、「京都ホテル改築問題から続く景観論争のなかで、私たちの主張が大きく盛りこまれた」と、長年にわたる京町衆によるまちづくり運動の成果を強調。木村氏が、大型高層マンションの“駆け込み建設”の急増問題を取り上げ、住み続けられる地域のための速やかな運動の重要性を述べました。梶浦氏は、マンションの建て替え問題について修繕を続ければ居住が可能であり、地域コミュニティーの形成にもプラスになることを指摘。中林氏は、新条例で京都御所周辺や市南部も規制の対象にしたことを評価し、「住民運動の全面勝利」と述べました。
参加者から「マンション建設反対運動の成果で今回の条例で容積率が制限された」(西京区)、「景観を守るためにも、職住一体のまちで住み続けるには地場産業の振興も必要だ」(上京区)などの発言や、弁護士、建築家、建築職人の労組からも発言がありました。