2007年4月15日(日)「しんぶん赤旗」
統一協会
洗脳教材にTV番組利用
“占い・霊界”で引き込む
霊感商法や違法伝道など反社会的活動を繰り返している統一協会が、信者獲得のための教材としてテレビの“占い・霊界”番組を使っていることが、全国霊感商法対策弁護士連絡会入手の内部文書でわかりました。
文書は、二十歳代後半の女性が通っていた統一協会のビデオセンター「ウェスト ガーデン」(東京都杉並区)の受講記録。女性は昨年秋、正体を隠した街頭伝道で同センターに誘われ、九月十六日から今年二月二日まで三十二回受講しました。受講料は七万円で女性は六万七千六百円を分割で払っています。
この間、ほぼ毎回、センターが用意したビデオを視聴し、教育担当者の講義を受けています。そのうち七回目に見たのがフジテレビが制作、放映した「天国からの手紙」。「『霊の世界』と交信し、その思いを伝えることができる」という「スピリチュアル・カウンセラー」(番組HP)の男性が登場し、タレントなどがその言葉に感動するという内容です。
統一協会は、すでに終了した他局の番組のビデオも四本以上使用。その他は同協会制作のビデオと見られています。
統一協会は“何代もの先祖が霊界で苦しんでいる。放置すればあなたや家族も不幸になる。先祖の因縁を解放するため全財産をささげなければならない”などと教えて信者にし、献金や霊感商法に駆り立てています。
全国霊感商法対策弁護士連絡会事務局長の山口広弁護士は「(洗脳教育の)前提が霊や霊界の存在を認めさせること。番組が一役買うという結果になっている」と言います。
「ドラマでもフィクションですという字幕を流している」と同弁連の紀藤正樹弁護士。「この種の番組には(霊界は科学的には立証されていないという)最低限の断りをいれたり、霊界を認めない人も登場させるべきだ」と指摘しています。
一方、フジテレビ広報部は「『天国からの手紙』は、霊の存在の有無を検証する番組ではない」とし、統一協会が無断で利用していることについては、「事実関係を確認した上で対応を検討したい」と述べています。
ビデオセンター サロン風のつくりで、カルチャーセンターを装った統一協会の勧誘教育施設。個人別にビデオを見せ、カウンセラーと称する統一協会員との対話を通して心情をつかみ、本格的な洗脳教育に引き込みます。