2007年4月13日(金)「しんぶん赤旗」
志位委員長が温家宝中国首相と会談
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日本共産党の志位和夫委員長は十二日、都内のホテルで、日本を公式訪問している温家宝・中国首相と会談しました。日本共産党から市田忠義書記局長らが同席しました。
志位委員長は、冒頭、温家宝首相の来日を歓迎するとともに、首相が十二日午前におこなった国会演説について、「日中友好への熱意と誠意にあふれるもので、日本国民の心に響くものだと、感銘をもって聞きました」とのべました。温首相は、「両国関係の促進のために貴党は大きな努力をされてきました」と応じました。
志位氏は、昨年十月の日中首脳会談で「戦略的互恵関係」の合意がされたことを「歓迎」する談話を発表したこと、温首相の来日で日中友好関係がさらに一歩前進し、成功裏にすすんでいることを喜んでいるとのべました。
温首相は、訪問の成果について紹介したうえで、「両国関係の明らかな改善をいっそう進めなければなりません。貴党が両国関係の促進のためにいっそう大きな積極的な努力をおこなうことを期待します」とのべました。
歴史問題――「公約を実際の行動で」
志位氏は、「日中の友好関係を促進するうえで重要なことは、歴史問題での逆流を許さないことです」と指摘。温首相が国会演説で「日本側が(歴史問題での)態度表明と約束を実際の行動で示されることを心から希望します」とのべたことについて、志位氏が、「ここにこそいま大切な点があると、私たちも考えています」とのべると、温首相は大きくうなずきました。
志位氏は、安倍首相が「村山談話」「河野談話」を継承すると公言しながら、「従軍慰安婦」問題で歴史をゆがめる発言を繰り返したことが、欧米諸国もふくめて国際的な大問題になっており、発言の撤回をもとめていると紹介。「日本には過去の侵略戦争を正当化する逆流が根強く存在します。昨年の日中首脳会談、今回の温首相の訪日をつうじて、歴史問題を解決する出発点が築かれ、解決の方向性がしめされたが、それが解決できるかどうかは今後の努力にかかっています。わが党は、逆流の根をたつまで力をつくしたい」と表明しました。
温首相は、「中国人民の感情とアジア諸国民の感情を傷つけることはあってはなりません。そうなればもっと深刻になります。安倍首相との会談では繰り返しこの点を強調しました」とのべました。
北東アジア――平和的国際環境の構築を
志位氏は、北東アジアの平和と安定について、中国政府が「平和的発展の道」を強調していること、「いかなる覇権主義、強権政治にも反対し、自らも永遠に覇を唱えない」「国連憲章にのっとり問題を平和的に解決する」と言明していることに注目しているとのべ、とりわけ六カ国協議の議長国としての中国の努力に敬意を表しました。この間の中国との交流をつうじても、「中国が自らの発展のためにも平和的な国際環境を求めていることを強く感じました」とのべました。
温首相は、「おっしゃるとおりです。平和的な国際環境が必要です。(六カ国協議の)最終目標は朝鮮半島の平和メカニズムを構築し、長期的な安定を維持することです。これはアジアの国々のためになります」とのべました。志位氏は、「六カ国協議が成功すれば、ASEAN(東南アジア諸国連合)のような地域の平和共同体に発展する基礎になりえます」と応じました。
最後に、温首相が「両党はこれからも常に交流していきましょう」と語りかけ、志位氏は「私も同じ気持ちです」とのべ、なごやかに会談は終わりました。
志位委員長と温家宝中国首相の会談同席者
日本共産党の志位委員長と温中国首相との会談の同席者は次の通り。
日本共産党から市田忠義書記局長・参議院議員、緒方靖夫幹部会副委員長・参議院議員、小池晃政策委員長・参議院議員、穀田恵二国対委員長・衆議院議員、西口光国際局長代理、広井暢子女性委員会責任者、森原公敏国際局次長、吉川春子参議院議員。中国側から李肇星外相、魏礼群・国務院研究室主任、王毅駐日大使、武大偉外務次官、丘小雄首相弁公室主任ら。