2007年4月12日(木)「しんぶん赤旗」

自・公集会に公費参加

4年間 領収書なし支出412万円

世田谷区長

区民が返還求め監査請求


 「自民党や公明党主催の集会に区長が公費で参加したのは違法」―。東京都世田谷区の区民四人はこのほど、熊本哲之区長に、同区の「庁用交際費の支出基準」にも該当しない支出や、領収書なしで多額の交際費支出があるとして、同区監査委員に返還など必要な措置をとるよう請求、受理されました。


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(写真)写真は世田谷区のホームページから

 措置請求書などによると、熊本区長は(1)一昨年一月七日、公明党東京都本部新春賀詞交歓会(一万円)(2)同二月四日、自民党世田谷総支部新年祝賀会(一万円)(3)同十一月二十一日、自民党の川島忠一都議・都議会議長就任祝賀会(二万円)(4)昨年一月十三日、公明党東京都本部新春賀詞交歓会(一万円)に参加。「その参加費を公費で支出したことは、明らかに政党、政治活動であり、区『庁用交際費の支出基準』にも該当しない違法な支出」として、計五万円を返還するよう求めています。

 また、熊本区長は、二〇〇三年度から〇六年度(ことし二月まで)の四年間で、慶弔関係を除いて千九十四件、約九百四十万円の区長交際費の支出があります。このうち、六百二十七件(57・3%)、四百十二万五千四百五十五円(43・9%)が領収書なしで、「公金の支出の透明性からみて、余りにも異常であり、安易な処理」として、今後、慶弔関係を除いては領収書添付の義務付けを求めています。

 請求した区民の一人(63)は、「政党の集会は、本来なら、自費で参加すべきものです。交際費も町会のあいさつ回りなど、区長のさじかげんで使われています。金額は小さいけれど、われわれの税金です。年間百万円ほどの一人暮らしのお年寄りへの『おはよう訪問』といった福祉を減らしておいて、こういう使われ方は許されない」と話しています。

 熊本区長は元自民党都議で、十五日告示の区長選に自民、公明両党の推薦で立候補、再選をめざしています。


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