2007年4月10日(火)「しんぶん赤旗」
党議席回復 公約実現へ
日本共産党は、八日投開票された県議選で、党議員がいなかった栃木、三重、鳥取、佐賀、宮崎の五県で議席を獲得しました。大規模開発や大企業優遇、暮らし・福祉切り捨ての「オール与党」議会をなんとしても変えてという住民の願い、期待にこたえようと、候補者、支部、後援会は、公約実現への決意を新たにしています。
「オール与党」に風穴
栃木
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栃木県議選の宇都宮市・上三川町区(定数十二)で、日本共産党の野村節子さん(54)は、一万一千六百三十三票を得て初当選し、オール与党県議会に風穴をあけました。
支持者らがかたずをのんで開票結果を見守るなか、八日午後十一時二十八分当確となり、事務所にいた支持者の喜びがはじけました。万歳の声をあげて拍手につつまれた野村さんは、選挙中の支援に感謝を述べるとともに「県民に示した政策の実現めざして全力をあげます」とあいさつしました。
一人はみ出しで大激戦となった選挙戦。共産党の支部と後援会は、税金の無駄遣いをやめさせ、暮らし優先で県民の声を届けるのが日本共産党の議席と訴え抜きました。党議席阻止を狙って他候補支援に回った公明党などの策動もはね返し、前回票を二千四百十九票(得票率で1・82ポイント)伸ばし、前回参院比例票を二千七百二十八票上積みしました。
九日早朝、野村さんはさっそく、JR宇都宮駅前で公約実現への決意をのべました。「当選おめでとう」と声をかけ、手を振る人が相次いでいました。
宇都宮市で後半戦をたたかう荒川つねお、福田くみ子両市議と新人の、たなべ明男市政対策委員長の三候補も参加しました。
一気に2議席を獲得
鳥取
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「出た!」「よかった〜」―。鳥取県議選鳥取市区(定数十三、立候補十四人)で八日深夜、日本共産党の市谷とも子氏(39)=新=が当選を決めると、事務所に集まった支援者は口々に喜びの声をあげました。十一人が定数九を争った米子市区では、にしこおり陽子氏(55)=新=が当選し、県議会に党の議席が空白だった鳥取県で一気に二議席を獲得しました。
合併に伴う市域の拡大で旧市、旧郡部の候補者が入り乱れるなか、市谷氏は「増税、負担増に苦しむ県民の切実な声をなんとしても県議会に」と、子ども医療費助成を小学校卒業まで拡充させることや国保・介護の負担軽減などを訴えました。
市谷氏は選挙事務所で支持者と握手しながら「『暮らしを、命を守ってほしい』という思いに後押しされて選挙をたたかいぬきました。県民の『命綱』となる日本共産党の議席の役割を果たせるように、みなさんの願いにこたえてがんばっていきたい」と決意を語りました。
30人学級訴えに共感
三重
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三重県議選で日本共産党は、四日市市区(定数七、立候補九人)で萩原量吉(66)、津市区(定数七、立候補九人)で真弓俊郎(59)の前職両氏が大接戦を制してそろって当選し、前回選挙で失った二議席を取り戻しました。
萩原、真弓両氏は、日本共産党議員がいなくなって、チェック機能も県民の声を届ける役割も失った「オール与党」県議会の実態を、宴会政治復活や豪華海外視察なども例に挙げて厳しく批判。県政をチェックし、暮らしを守る日本共産党の役割と、就学前までの医療費無料化や全小中学校での三十人以下学級実施など、県民要求に根ざした政策などを訴え、共感を広げました。
四日市市区での萩原氏の得票は一万四千五百二十八票(得票率11・53%)。前回票を千三百八十八票、率で1・35ポイント上回りました。
十市町村が合併した津市区での真弓氏の得票は一万一千二百四十九票(同8・43%)。旧津市内だけで得た前回票に千五百八票上乗せし、次点と四十八票の差で競り勝ちました。
深夜になった当選の報に両氏の事務所では、かたずをのんで開票を見守っていた支持者が「よかった、よかった」「これで議会に光が戻る」と手を取り合って喜びを爆発させ、両氏の決意表明に拍手と歓声で応えていました。
トップ当選で回復
佐賀
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佐賀県議選の佐賀市区で、前回失った日本共産党の議席を、トップ当選で回復した武藤明美さん(59)は九日、佐賀市内で、街頭宣伝に立ち、県民の期待に応える県政に切りかえるために奮闘する決意をのべました。山下明子、中山重俊両佐賀市議が参加しました。
武藤さんが宣伝カーのマイクで訴えると車や通りがかりの市民から手が振られました。駆け寄って握手を求める人もあり、市民の共感と期待の大きさが示されました。
武藤さんは「高い国保税を県民に押しつけ、国保証を取り上げる冷たい県政をただしていきます。貧困や格差社会をいっそう広げるムダなお金の使い方から、くらしや福祉、教育予算にまわすなど、県民のくらしを応援する県政をめざしていきたい」と抱負を語りました。また、県政をチェックし、県民との共同で県政を動かす日本共産党の一議席の役割を強調しました。
武藤さんは、引き続くいっせい地方選後半戦での日本共産党への躍進・勝利へ支援を呼びかけました。
訴えを聞いていた六十代の女性は「国保税も介護保険料も高くなって、わずかな年金で、とても生活できない。長崎新幹線をつくるよりも、毎日、節約し我慢する生活から、安心して暮らせる県政にしてほしい」と、武藤さんと共産党の役割に期待を寄せました。
“共産党議員は必要だ”
宮崎
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宮崎県議選(宮崎市区)で日本共産党の前屋敷えみ候補(57)=前=は、九千百二十八票(得票率6・39%)を得て、第五位で当選し、前回九十七票差で失った唯一の党議席を回復しました。
日本共産党のいなかった自民、民主、公明、社民の「オール与党」県議会は、昨年発覚した宮崎県官製談合事件の追及にも及び腰で、住民税の増税にも賛成してきました。また、請願数も、党議席空白の二〇〇三年四月から〇六年十二月まで、三十一件。党議席があったそれまでの四年間の六十四件と比較して半分以下に激減しました。
県民からは「請願の紹介議員がいない。県民要求を県政に届けられない」との声があがりました。
党支部と後援会は「県民の切実な要求を県政に届け、命と暮らしを守るために、必ず、えみさんの勝利を」を合言葉に、街頭でのハンドマイク宣伝や小集会を繰り返し開催。党の政策を訴えるビラも、市内全戸規模で配布しました。
こうした奮闘を通じて、県民の間で「県議会に共産党の議員は必要だ」との声が高まりました。
当選した翌九日、前屋敷さんは、さっそく後藤やすき、浜畑きょう子、長尾和子、長崎良子の各宮崎市議候補とともに宮崎市内各地で街頭宣伝。「新しい県議会で県民要求実現に向けて頑張ります。市議選でも党の四人の候補の勝利を」と訴えました。