2007年4月10日(火)「しんぶん赤旗」

教訓を生かし、後半戦での前進のために力をつくそう

――いっせい地方選挙前半戦の結果について

二〇〇七年四月九日 日本共産党中央委員会常任幹部会


(1)

 八日投開票がおこなわれたいっせい地方選挙前半戦で、日本共産党は道府県議選で、十二府県で議席を増やしましたが、十三道府県で議席を減らし、全体として前回の百十議席から百二議席に後退する結果となりました。県議会で議席をもたない県が、愛知にくわえ、福井、熊本の三県となったことは残念ですが、これまで議席をもたなかった栃木、三重、鳥取、佐賀、宮崎で議席を回復したことは、貴重な成果でした。

 十五の政令市議会議員選挙では、百二十四議席を獲得し、前回と比較可能な十二市(今回、新しく政令市となった新潟市、浜松市、堺市をのぞく)では、百五議席を獲得し一議席増となりました。

 またわが党は、同時にたたかわれた十三の都道県知事選挙のすべてに推薦・公認候補を擁立し、当選には及ばなかったものの、東京都知事選をはじめ、多くの選挙で前回票を大幅に伸ばし、善戦・健闘しました。自民、民主など他党が、多くの知事選挙で、政党として責任ある選挙をたたかえなかったことと対照的に、わが党は、有権者に地方政治の抜本的改革の選択肢を示し、政党としての責任をはたしました。

 日本共産党を支持していただいた有権者のみなさんにたいし、また、党の前進のために日夜を分かたず奮闘していただいた支持者、後援会員、党員のみなさんにたいし、心からのお礼を申し上げます。

(2)

 今回の選挙の総括は、中央委員会としても、都道府県委員会としても、後半戦のたたかいの結果をふくめて、本格的に教訓を引き出す作業をおこないますが、次の諸点を、後半戦のたたかいに、ただちに教訓として生かしていくことが大切です。

 日本共産党が前半戦をつうじて訴えた政治的内容は、有権者の関心・要求にかみあい、道理にたったものでした。福祉と暮らしを守るという自治体の仕事をはたさせる、ムダな大型開発や大企業への補助金のばらまきなど「逆立ち」した自治体のあり方をただす、憲法九条と平和を守り抜くなど、わが党の訴えは、それがとどいたところでは、有権者のなかに大きな共感を広げました。

 地方政治の政党対決の構図が、自民、公明、民主など「オール与党」と日本共産党との対決にあることを鮮明にしてたたかったことも、住民の利益をまもる唯一の野党としての日本共産党の値打ちを浮き彫りにするものでした。

 わが党が展開した論戦は、東京都知事選などに象徴されるように、当選した石原候補も「反省」や「福祉」を口にせざるをえなくなるなど、選挙戦の全体をリードする大きな力を発揮しました。

 私たちは、この選挙で訴えた政策と公約が、住民の利益と道理にたったものであったことを確信するとともに、その実現のために全力をつくすものです。

(3)

 前半戦では、こうした論戦のリードを議席増にむすびつけた多くの積極的なたたかいがおこなわれた一方で、議席を減らすという残念な結果も少なからず起こりました。(1)選挙戦の激しさと厳しさを直視し、どの党にも負けない政治的構えととりくみがおこなわれたかどうか、(2)得票目標の実現に執念を燃やし、自ら決めた宣伝・組織活動の目標をやりぬく本気の構えでのたたかいをやりぬいたのかどうかで、結果に明暗が分かれていることを、引き続いてたたかわれる後半戦に生かすことが大切です。

 今回のいっせい地方選挙は、どの党も参院選の前哨戦と位置づけ、かつてない激しい政党間のたたかいとなりました。崩壊しつつある支持基盤を再構築しようと必死のとりくみをおこなう自民党。民主・自由の合併後初めてのいっせい地方選挙で本格的な地歩確立を狙う民主党。反共の先兵の役割を担う公明党。これら自民、公明、民主などの「オール与党」勢力による「日本共産党締め出しシフト」は、これまでにない厳しいものがありました。

 この激しさと厳しさを直視し、どんな困難も突破する気概をもち、党と後援会の底力を発揮してたたかいぬき、定数一や定数二の激戦を制した積極的経験が、全国各地に生まれました。同時に、この点での構えの弱さ、「なんとかなる」論などのゆるみ、相手陣営から流された「大丈夫」論などを克服しきれずに失敗した経験も生まれました。

 厳しい条件のもとで勝利をつかんだ経験は、奮闘いかんではわが党が前進できる条件が存在していることをしめしており、その教訓を全党がひきつづくたたかいに生かすことが大切です。わが党は、道府県議選で議席を減らしましたが、得票の結果を四年前の比較できる選挙区で見ると、得票の全体は前回の114%に増えています。住民の目線にたった的確な論戦を前面にすえて、党と後援会が底力を発揮してたたかえば、前進できる条件はおおいに存在します。

 後半戦は、全国七百八十自治体八百七十選挙区でおこなわれ、日本共産党は六百八自治体七百二十三選挙区に千四百四十六人の候補者を擁立してたたかいます。前半戦の教訓を生かし、候補者全員の勝利をめざして、意気高くたたかいぬこうではありませんか。党員のみなさんのひきつづく奮闘と、後援会員、支持者のみなさんのご協力を心から訴えるものです。


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