2007年4月9日(月)「しんぶん赤旗」

改憲手続き法案

地方議会で意見書次々

9条改悪につながる/廃案に


 安倍晋三首相が今国会での強行をねらう改憲手続き法案(国民投票法案)に対し、地方議会で廃案や慎重審議を求める意見書の可決が相次いでいます。

 北海道では三月、富良野市、余市町、占冠村などで可決されました。

 音威子府村議会の意見書は、「いま国民の多くが改憲を望んでいるという状態ではありません」と指摘。「改憲を前提にした『国民投票法』も国民の理解や支持がないまま、いま性急に制定する必要もありません」と法案に反対しています。

 黒松内町議会の意見書は、安倍首相の一連の発言をあげ、「改憲のねらいが…歯止めのない自衛隊の海外派兵の拡大にあることは明白」と指摘。「九条改悪につながる改憲手続法案制定の中止」を求めています。

 高知県では、須崎市など五つの自治体議会が意見書で廃案を要求。南国市議会の意見書は「慎重審議」を求めています。

 須崎市議会意見書は、「私たちは、21世紀を日本国憲法が掲げる平和、人権、民主主義の理念が世界で花開く時代にしたいと願っており、この憲法理念の破壊に道を開く改憲手続き法案には反対」と表明しています。

 法案の不公正、非民主的な中身についても批判が相次いでいます。

 埼玉県鳩ケ谷市議会の意見書は「状況によっては有権者の2割台の賛成で改憲案が通ることになり、国の大もとにかかわる憲法についての投票としてふさわしいとはいえない」と指摘します。

 岡山県吉備中央町議会の意見書は、「マスコミの広告放送の公平性、公務員・教育者の国民投票にかかわる運動の制限、構成要件があいまいで国民的議論を萎縮させかねない買収罪」など「重大な問題」を列挙。法案の廃案を求めています。



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