2007年4月7日(土)「しんぶん赤旗」
未成年ホームレス確認
厚労省調査 全体では6732人減る
厚生労働省が今年一月に調査した全国の公園や河川敷などで野宿しているホームレスは、一万八千五百六十四人で、二〇〇三年に行った全国調査と比べて六千七百三十二人減少していましたが、七割以上が生活保護制度を使ったことがないなど厳しい生活実態に変化のないことが分かりました。同省が六日公表したもの。全都道府県でホームレスが確認されました。
生活実態について調査したところ、年齢で最も多かったのが五十五歳から五十九歳(26・7%)、次に六十歳から六十四歳(21・1%)、五十歳から五十四歳(15・9%)で、これらの合計が全体の63・9%を占めています。平均年齢は五十七・五歳で、前回調査より一・六歳上がりました。今回初めて十八歳の未成年者のホームレスが確認されました。
ホームレスになった理由は、「仕事が減った」(31・4%)、「倒産・失業」(26・6%)と約六割が経済的な要因でした。生活保護制度を利用したことが「ない」人が70・1%を占め、「断られた」人も3・2%。七割以上が公的なセーフティーネットから漏れていました。
東京・隅田川右岸(台東区付近)でテント暮らしをする男性(68)は「都がホームレスにアパートの家賃を補助してくれて月三千円でアパートに入れるようになったが、仕事がなく、また戻ってくる。食事代を浮かすために炊き出しに並んでパンやうどんを食って生き延びている」と話します。
東京・代々木公園周辺で暮らす男性(72)は「公園などの工事を理由に追い出された。どんどん居場所がなくなる。年取ってからの健康が不安だ」と訴えていました。
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