2007年4月6日(金)「しんぶん赤旗」
改憲手続き法案
65% 「審議尽くされてない」
有権者不在の状況
与党が今月半ばにも衆院通過を狙う改憲手続き法案(憲法改正国民投票法案)について、弁護士や大学生らでつくる「国民のための国民投票法を考える会」(代表世話人・田場暁生弁護士)が全国で実施した街頭アンケートの結果を集計しました。法案の審議が「採決してもよいほどには尽くされていない」と答えた人が六割以上を占めました。同会は「有権者不在の状況で成立させることは疑問」としています。
街頭アンケート「考える会」集計
アンケートは三月末から今月四日にかけ、東京、京都、大阪、群馬、茨城、新潟、岐阜、静岡、滋賀、和歌山、山口、福岡の各都府県の二十一カ所で実施。千二百四十七人から回答を得ました。男女比はほぼ同数でした。
集計によると、審議が「尽くされていない」と答えた人は八百六人(64・6%)、「分からない」が三百三十七人(27・0%)で、合わせて九割を超えます。「尽くされた」は五十四人(4・3%)でした。
法案が審議中であることについては、六割弱が「知っている」と回答しました。
しかし法案の内容についての設問では▽法案が定める「投票までの周知期間」が何日間かという問いに、全体の七割が「知らない」と回答▽法案が定める「過半数」の定義について正しく答えた人は全体の二割弱――などとなりました。法案の中身が有権者に十分周知されていないことがうかがえます。
調査を担当した赤木俊之弁護士(和歌山県)は「憲法を改定するための法案だということを説明すると驚いた人も少なくない。多くの有権者が法案の内容も知らず、その意味もわからないという状態で成立させることには、大きな疑問が残る」と話しています。
同会は今後も各地でアンケートを続行する予定です。
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