2007年4月5日(木)「しんぶん赤旗」

母子家庭の命綱カットは公平?

自民が居直り資料


 生活保護の母子加算廃止や児童扶養手当の打ち切りなど、「母子家庭の命綱」を削る安倍内閣に批判が集まるなか、自民党が同党の国会議員などに向けて“言い訳”資料を配布しています。

 この資料は「母子家庭の就労支援に向けて(Q&A)」。全六ページで、「政府は母子家庭に対してどのような支援を考えているのでしょうか」などの質問に答える形式です。

 しかしその内容は、生活保護の母子加算(最高で月約二万三千円)を廃止・縮小することについて「(生活保護受給世帯が)母子世帯全体の平均的な所得層の消費水準を上回っている」「母子世帯との公平性(を確保する)」など、これまで政府が改悪を合理化してきた主張のオウム返し。言い訳どころか「居直り資料」です。

 来年四月から実施される、母子家庭への児童扶養手当(全額支給で月約四万二千円)の支給停止については、「少なくとも従前の二分の一の額を保障」すると、手当の半減は否定していません。

 資料では「母子家庭の生活を積極的に応援すべく、特に『就労支援』に力を入れています」と宣伝しています。しかしこの「就労支援」は、母親たちから「支援センターから紹介された時給は六百五十円。これでは子どもを養えない」「相談窓口はあっても求人がない」という声が上がっているものです。

 母子家庭の母親の八割以上は、すでに働いています。しかしその半分は臨時やパート。仕事を掛け持ちして体をこわす例も珍しくありません。OECD(経済協力開発機構)の調査では、日本では母子家庭の約六割が貧困ライン(その国の平均的所得の半分)以下の暮らしを送っています。

 “公平性の確保”というなら、母子加算を取り上げるのではなく、必死に働いても生活保護水準以下の暮らししかできない「ワーキングプア」の母子家庭の暮らしを引き上げることこそが、政治の責任のはず。こんな言い訳・居直りを繰り返す自民党では、母親たちの願いにこたえるものではありません。


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