2007年4月5日(木)「しんぶん赤旗」

主張

政務調査費不正

なれあいのムダ遣い断つ党は


 いっせい地方選挙で問われる問題の一つに、各地の自治体で明らかになった政務調査費の不正使用など税金のムダ遣いがあります。

 住民には「財政難」を理由に我慢を強いながら、住民の血税を預かる議員がみずから税金を私物化し、流用しているというのでは、有権者が怒るのも当然です。

 日本共産党は、政調費の透明度を高め、不正を許さないために、各地の議会で奮闘しています。この党をのばすことが、税金のムダ遣いをただす決め手です。

「オール与党」体制と一体

 政務調査費は、地方自治法に基づき、自治体が議員や会派に支給する調査・研究のための経費です。金額は自治体ごとに決められています。全国一高い東京都議会では議員一人当たり一カ月六十万円、年間九億円が各会派に議員数に応じて交付されています。けっして少ない金額ではありません。

 この問題が大きくとりあげられるきっかけになったのは、東京都目黒区議会で起きた不正でした。昨年十一月、二〇〇五年に受け取った政調費総額の六割を超える七百七十三万円を不正使用したとして、当時の六人の公明党区議全員が辞任しました。同区では自民、民主も多額の不正使用をしていました。

 これに続いて各地の議会で、政調費が飲み食いや家族旅行に使われたり、身内に支給されたりという私的流用の実態が次々発覚しました。

 問題は、これらが氷山の一角でしかなかったことです。報じられている不正の実態は、政調費の収支報告に領収書の添付を義務付けている自治体で、住民らが情報公開制度を使って使途の検証をしたのをきっかけに明らかになったものです。全国的には、収支報告に領収書の添付を義務付けていない自治体が多数です。

 日本共産党の調査では、四十七都道府県のうち、なんらかの形で領収書添付を求めているのは十五道府県で、残る三十二都府県では、費目ごとに総額を報告する簡略な報告書が出されているだけです。こうした自治体では、住民が使途を検証しようにも、そもそもそれができないのです。元は税金だというのに、こんな不透明な仕組みが長年続いていることが不正の温床です。

 日本共産党は、政調費の使途の透明化のため、領収書添付の義務づけを一貫して強く求めてきました。各地の議会で、条例提案や議長、各会派への申し入れなどをすすめ、領収書添付義務付けを決める議会が広がりはじめています。住民の声と結び、議会の改革をすすめる日本共産党の努力が実を結んだものです。

 これを妨害し続けてきたのは自民、民主、公明の各党です。よほど後ろぐらいことがあるのか、多くの議会で領収書義務付けを拒み続けています。愛知県では選挙前の二月議会で政調費「改革」に乗り出すポーズをとりながら結論を選挙後に持ち越した三党を、地元紙も「自公民 政調費“先送り同盟”」(「中日」三月二十七日付)と痛烈に批判しました。

清潔な党の前進で

 巨大開発や大企業誘致の補助金ばらまきに税金を浪費しながら、増税や負担増、国いいなりの福祉切り下げをすすめる「逆立ち」政治の「オール与党」が、なれあいのなかで不正に手をそめ、議会の改革も拒み続けているというのが事の真相です。

 政調費不正の一掃は、「オール与党」にくみせず、住民の立場を貫く清潔な党、日本共産党の前進にかかっています。



■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp