2007年4月4日(水)「しんぶん赤旗」
政調費巡り自公民が右往左往
“先送り同盟”とメディア
愛知
名古屋地裁は三月、自民党名古屋市議団が政務調査費を不適切に処理したとして二千四百六十万円を返還させるよう市側に命じる判決を出しましたが、自民、民主、公明は政務調査費問題の対応を選挙後に先送りしています。愛知県議会でも政務調査費問題のあり方を検討していますが結論は選挙後です。マスコミから「愛知県議会 自公民 政調費“先送り同盟”」(中日新聞)などとからかわれています。
「選挙ポーズ」
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「今度の選挙の判断基準は、政務調査費(への態度)だ」。日本共産党の支部・後援会員の支持の訴えに、「もともと保守」という男性からもこうした声が返ってきました。
自民、公明、民主は県議選、市議選では口々に「透明性の確保」を言いますが、市民から選挙ポーズではと言われています。
愛知県議会の政務調査費は議員一人あたり月五十万円、名古屋市議会では同五十五万円にのぼります。市議会の政務調査費をめぐって二〇〇五年、自民党市議団に不明朗な領収書の提出が発覚、市民団体が提訴しました。元市議団長は裁判で、団共通経費の一部をプールし、選挙費用として所属議員に分配したと証言しました。
日本共産党市議団は自主的に、領収書も付けて使い道をすべて公開しています。県議会でも〇三年に議席を失うまで、同様に公開してきました。
「領収書を全面公開することは、市民に対する最小限の説明責任」として共産党市議団は二月議会で、政務調査費の領収書公開を義務付ける条例改正案を提出。自・公・民の「オール与党」は、反対討論に立つこともなく反対し否決しました。
公開拒む発言
告示前、中日新聞のアンケートに、民主、自民、公明の市議候補はそろって「個別の質問には回答を差し控える」と回答しました。
ところが、公明党は告示後、「私は、公明党の政務調査費を全面公開するために働きかけています」(名古屋市昭和区の候補者)などと演説しています。同党は四年前の地方選のとき、「領収書添付、余剰金は返却」(公明新聞〇三年一月十九日付)と提案していました。
市議会最大会派の民主党は「民主党議員団はあいまいにしてきた。私が出てけじめをつけたい」(守山区・現職)、自民党も「政務調査費は、私が議員になったらきちんとやります」(西区、新人)と選挙の乗り切りに躍起です。
告示前に県議会の各党幹部が「調査先への手土産(の領収書)まで公開すると、腰が引けて調査ができなくなる」(自民)、「調査内容を他会派や県執行部に知られないよう、政治活動を保障する必要がある」(民主)など、領収書公開を否定する発言をしていただけに、急変した印象はぬぐえません。
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