2007年4月3日(火)「しんぶん赤旗」
イラク犠牲者15%増
米の掃討作戦で治安悪化
【カイロ=松本眞志】イラク政府は一日、三月期の暴力やテロが原因のイラク人犠牲者数が前月比で15%増加したと発表しました。
それによると、三月の犠牲者数は一般市民、警察官、イラク軍兵士を含む二千七十八人、二月よりも二百七十二人増えています。一般市民は千六百四十六人から千八百六十九人、警察官は百三十一人から百六十五人、イラク軍兵士は二十九人から四十四人といずれも増加傾向にあります。
米・イラク軍は二月中旬から「法の執行作戦」と称し、武装集団一掃作戦を首都バグダッドや西部のアンバル州で展開。爆弾テロの発生率が減少傾向にあるとしていましたが、今回の報告で、治安状況は沈静化どころか深刻化している実態が示されたといえます。
イラクの著名な政治評論家のワリド・ズバイディ氏は同日、カタールの衛星テレビ・アルジャジーラのインタビューに答え、治安作戦について、「法の執行どころか、殺りくと破壊、混乱をもたらした」と語りました。
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