2007年4月3日(火)「しんぶん赤旗」
子どもの情報 企業に委ねる
全国学力テストやめよ
8氏アピール
文部科学省が二十四日に実施しようとしている全国一斉学力テストについて二日、小森陽一東京大学教授、佐藤学日本教育学会会長ら八人が呼びかけ人となって「子ども全員の個人情報を企業にゆだねることに反対し、個人情報保護法・憲法にもとづく対応を求める賛同アピール」を発表。署名を呼びかけました。
アピールは、子どもたちを競わせ、序列化をすすめる全国学力テストは学力向上につながらないとして反対を表明。「朝食を毎日食べているか」「一週間に何日塾に通っているか」など家庭状況に立ち入った質問への回答まで企業が集計・分析を行うという問題点を指摘し、個人を特定できる調査を受験産業にゆだねることは個人情報保護法に違反するおそれがあるとのべています。
テストの中止を求めるとともに、強行する場合でも集計・分析を企業にゆだねるやり方を見直すよう求めています。
記者会見した呼びかけ人の一人、堀尾輝久元日本教育学会会長は「なぜ全国一斉に小学六年生、中学三年生全員を対象にやるのか。子どもの『学力総背番号制』になり、競争を激化する問題点は大きい」とのべました。
呼びかけ人はほかに、新日本婦人の会の高田公子会長、元小学校校長の高橋昭一さん、津田玄児、村田智子両弁護士、全日本教職員組合の米浦正委員長。
伊吹文科大臣あての署名では「全国一斉学力テストは中止すること」「実施を強行する場合は、せめて出席番号と氏名は無記名にすることを各県教育委員会に指導すること」を求めています。署名用紙は新婦人のホームページに掲載されています。全教のホームページにも掲載の予定です。
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