2007年4月2日(月)「しんぶん赤旗」

国民生活最低基準を

貧困・格差打開へ 労働総研が交流会


 労働運動総合研究所(労働総研)は三月三十一日、東京都内で「ナショナルミニマム」(国民生活最低基準)の確立をめざす研究交流会を開きました。

 労働総研は、「構造改革」路線によって貧困と格差拡大が社会問題になるなかで、対抗軸としてナショナルミニマム確立が急務だとして浜岡政好佛教大教授を責任者とするプロジェクトを発足させ、昨年、報告書にまとめて発表しました。

 この日の研究会は、ナショナルミニマム大綱案について浜岡氏が説明。小越洋之助國學院大教授や唐鎌直義専修大教授らを交えて議論しました。

 大綱案では、最低生活費の保障として月収三十八万円、年収四百六十万円(東京・四人家族の生活保護費の一・四倍)、生活費への非課税、医療・教育費の原則無償、住宅費の公営住宅並み扶助を提起しています。

 財源保障として過大にため込んでいる大企業の内部留保の社会的還元、累進課税による応益負担などを提示、「ナショナルミニマム基本法」の制定を提唱しています。

 研究会では、大綱案について「画期的だ。家賃補助、児童手当など一人親世帯の貧困対策の位置付けを」(小越氏)「労働権や生存権は集団的権利。労働組合の存在が重要だし、そうした集団の力でこそ実現できる」(唐鎌氏)などの意見が出されました。



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