2007年4月2日(月)「しんぶん赤旗」

豪華海外視察

4年前の“自粛”宣言どこへ

公明党議員

選挙すめば次々実行


 「政治とカネ」をめぐる問題に国民の厳しい目が注がれる中、地方議会での「オール与党」による“豪華海外視察”がいっせい地方選挙の大きな問題の一つになっています。ところが、公明党は横浜市で自民、民主、公明議員による観光旅行化した海外視察を批判した日本共産党のビラに、「“観光まがい”はデマ宣伝」(公明新聞、十五日付)と難癖をつけています。

 二〇〇五年十一月、公明党横浜市議の五人は、「芸術・文化を基軸にした街づくり」などを理由に北南米を海外視察しています(一人当たり百五万円、一人私費)。しかし、ニューヨーク近代美術館では「近現代絵画の主要作品を鑑賞」していますが、報告書は職員の説明で大半を埋め、ニューヨーク視察の成果は「公民協働による…創造性と経営感覚の導入こそ必要だ」というもの。横浜市に対する具体的な提言はなにもありません。

 さらに、ペルー・マチュピチュ遺跡では「自然の巨岩を巧みに生かし…太陽や月の観測施設などに作り替えた技術に驚嘆」、ブラジル・アマゾン川でも「変化に満ちた光景を、船上から飽かず眺めた」と、旅行記のような記述が目立ちます。“観光まがい”は報告書からも見て取れるのです。神奈川新聞も「市政反映に疑問符も」(二月六日付)と報じました。

 問題になっている公明党議員の海外視察は、横浜市にとどまりません。海外視察の自粛を申し入れた当人が、海外視察をしている例まであります。

 山梨県の宮原稔育県議は、〇三年二月に海外視察の自粛を自ら議会に申し入れながら、当選すると北欧四カ国を海外視察(〇五年七月、同九十万円)。世界遺産や名所を回り、報告書には「穏やかな水面と切りたった岩が美しい雄大な自然遺産を満喫」(ノルウェー)、「有名な画家の作品を駆け足で鑑賞するのが…精一杯」(ロシア、エルミタージュ美術館)と記しました。

 公明党愛知県議団も〇三年一月、海外視察の自粛と同予算の大幅な削減を申し入れていますが、今任期中、七県議全員が海外視察に出かけています(同約八十四万―約百九万円)。愛知県議会が海外視察に使った金額も四年間で一億円を超え、全国トップレベルです。

 公明党福岡市議団は〇三年六月、各派代表者会議で「会派としては自粛」、他会派にも「誰が見てもおかしくない視察・調査」を求めていました。しかし、〇五年十月、同党市議三人は欧州三カ国を海外視察(同約百万円)。報告書の八割が他人のホームページからのコピー・張り付けだったことが、共産党市議団の調査で明らかになっています。

 そもそも、公明党は四年前の選挙では、党として海外視察の自粛を宣言しています。地方議会でも公明党議員が海外視察の自粛を申し入れ、そのたびに公明新聞で大きく報じました。日ごろ「公約実現」政党を標ぼうする公明党ですが、選挙目当てに国民の目を欺く、同党の体質がここにも表れています。



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