2007年4月1日(日)「しんぶん赤旗」
教科書検定
「歴史曲げないで」
沖縄戦集団自決 生き残った男性語る
文部科学省が二〇〇六年度の高校教科書の検定で、太平洋戦争末期の沖縄戦での住民「集団自決」にかんする「日本軍に強制された」とした記述に対し、「軍が命令した証拠はない」として書き換えさせていたことに、沖縄戦を体験した男性(73)=沖縄県座間味村=は「文部科学省には、歴史を曲げるようなことをしてほしくない」と話しました。
「集団自決」の生き残りである男性が座間味島で沖縄戦を体験したのは十歳の時でした。
日本軍から手りゅう弾を渡され、「米軍に捕まったら体のあちこちを切り刻んでじわじわ殺される」と聞かされました。「自決しろとはっきり言われたか記憶にないが、暗に自決しろと言っているのと同じだ」といいます。別の家族が手りゅう弾で自決するのも見たといいます。
男性は「うやむやにするのでなく、歴史は歴史として後世に伝えなければいけない」と静かに話しました。
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