2007年3月31日(土)「しんぶん赤旗」

手続き法案 改憲に直結“廃案に”

高知や岡山で意見書

自治労連などが要請


 自民・公明の与党と安倍内閣が、改憲手続き法案を今国会で強行しようとしている事態に高知県や岡山県の七つの自治体が「法案の廃案」や「慎重審議」を求める意見書を可決しました。自治労連や公務労組連絡会がくりひろげてきた要請行動が実ったものです。


 須崎市議会の意見書は、「改憲手続き法案を制定する動きは、二〇〇五年の自民党の新憲法草案決定、民主党の憲法提言発表に見られるように、日本国憲法第九条を改定して、日本をアメリカとともに海外で『戦争する国』に変えることと一体と言わなければなりません」と廃案を求めています。南国市の意見書は公務員・教育者の運動禁止や少数の賛成で憲法が改定されるなど「重大な問題がある」と指摘、慎重審議を求めています。

 「自民、公明党などを批判する表記のある陳情書は採択が困難なのに今回は反対討論がでなかった」とある自治体の議会事務局職員はいいます。

 高知県では、高知自治労連が一昨年(二〇〇五年)秋、昨年夏と県内の自治体首長を訪ね、憲法問題で懇談を重ねてきました。二月には、高知県教組など他の公務労組と協力して三十五自治体に改憲手続き法反対や公務公共サービスの充実、公契約条例の制定などを要請しました。

 財政支出削減など自治体も国からの攻撃にさらされています。首長と共感できる部分も多く、憲法にも話は発展。自民党の新憲法草案が九条改悪とともに地方自治の変質も狙っています。「手続き法案が憲法改悪に直結していることがわかれば、法案反対の立場に立ってくれます」と高知自治労連の松繁美和書記長。

 ある首長は「憲法改正に急ぐ政府に心配しています」とのメッセージを寄せ「ムード的にのみ進行していく流れに歯止めが出来ないものか」と思いをつづってきました。

 岡山県でも自治労連岡山県本部など公務労組の働きかけによって久米南町議会は「私たちは、二十一世紀を日本国憲法が掲げる平和、人権、民主主義の理念が世界で花開く時代にしたいと願っており、この憲法理念の破壊に道を開く改憲手続き法案には反対です」との意見書を可決しました。



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