2007年3月30日(金)「しんぶん赤旗」
築地市場移転「私の前の代に決定」
石原都知事発言は偽り
共産党都議団入手文書で判明
築地市場(東京・中央区)の豊洲移転について「私の前の代に決まったこと」という石原慎太郎知事の発言が、責任逃れの虚偽であることが日本共産党都議団が入手した文書で分かりました。同都議団が二十九日、都庁内の記者会見で明らかにしました。
文書は二〇〇〇年六月二日付、豊洲用地を所有する東京ガスから、福永正通副知事(当時)に送られたもの。石原氏が都知事に就任したのは一九九九年四月で、文書はその一年二カ月後に出されました。
同社は「豊洲移転は、弊社といたしましては基本的には受け入れ難い」「事業用地として、弊社は開発構想・先行計画を有しており、市場移転には同意できない所であります」と移転を拒否しています。
石原氏は九九年九月、築地市場を視察し「古い、狭い、危ない」と発言します。文書によると、都の東京ガスへの土地譲渡の打診は、知事視察後の「十一月」に始まり、同社はこの打診に「大変苦慮」していると困惑を表明しています。
豊洲用地が環境基準を超える有害物質で汚染されていることを、同社が正式に発表したのは〇一年一月。同文書は、その半年前、すでに「土壌処理や地中埋設物の撤去等が必要です」とし、譲渡にあたり「大変な改善費用を要することになります」と都に説明していました。
こうした状況のなか、石原知事は〇一年十二月、豊洲への移転を決めたのです。
同都議団の渡辺康信団長は「石原知事のもとで無理押しで決定されたことは明らかだ。知事の発言は、自らの責任を逃れようとする虚偽発言で断じて許せない」と批判しました。
会見には渡辺氏のほか、植木こうじ、小竹ひろ子、清水ひで子都議が参加、東ひろたか前都議が同席しました。