2007年3月29日(木)「しんぶん赤旗」
イラク米軍
撤退盛る予算案可決へ
米下院に続き上院も
米上院は二十七日の本会議で、イラク戦費を盛り込んだ補正予算案から、「イラク駐留米軍の撤退期限を二〇〇八年三月末とする」との民主党提案の追加条項を削除する共和党の修正案を否決しました。これにより補正予算案は、撤退期限を明記した原案のまま、週内にも可決される公算が大きくなりました。
下院はすでに、来年八月末を撤退期限とする法案を二十三日に可決しています。上院でも同様の法案が可決されれば、〇二年秋に対イラク武力行使容認決議を採択した米議会両院が、初めて、期限を切ったイラク撤退を定める議決をすることになります。ブッシュ大統領は同法案への拒否権行使を明言しています。
二十七日の上院での共和党の修正案の採決では、段階的撤退を支持するヘーゲル氏ら共和党二議員が反対に回る一方、民主党側の二議員(系列無所属一人を含む)が賛成。修正案は五○対四八の反対多数で否決されました。当初、イラク撤退法案の上院通過は困難だと予測されていました。
ヘーゲル議員は、「イラク問題に軍事的解決策はない。イラクはイラク人のものであり、米国のものではない」と語りました。
■関連キーワード