2007年3月26日(月)「しんぶん赤旗」
加害責任認め謝罪を
アスベスト 完全救済求めシンポ
「アスベスト問題は終わっていない 労働者・市民シンポジウム」(主催・石綿対策全国連絡会議)が二十五日、東京都内で開かれました。
「アスベスト救済法」が制定されて一周年。全国各地の被害者と家族、市民、工場などで働く労働者ら約二百五十人が参加して「迅速・公平・すき間のない完全救済」を求めて被害実態の報告と、再発防止への石綿全面禁止と処理などを求めて討論しました。
基調報告した石綿対策全国連絡会議の古谷杉郎事務局長は、「国や自治体による被害実態の全ぼうの把握と原因究明はなされていない。被害者に医学的立証責任を負わせ、石綿肺がんはほとんど救済されないなど補償・救済制度はただちに見直すべきだ」と強調しました。
岐阜県羽島市のニチアス羽島工場の被害に遭った「アスベストに関する地域住民の会」の男性は「健康診断が始まり、診断結果で死期の宣告を受けるような事例も出てきて被害は深刻」と不安を訴えました。
奈良県のニチアス王子工場と子会社・竜田工業(斑鳩町)の被害者でつくる「患者と家族の会奈良支部」の女性は「(ニチアスは)加害企業の自覚がない。責任を認めて謝罪してほしい」と述べました。
母親を中皮腫(ちゅうひしゅ)で亡くした遺族は「母は七十七歳で『痛いよ、痛いよ』と訴えて亡くなりました。責任を認めてあやまってほしい」と、加害企業を糾弾しました。
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