2007年3月23日(金)「しんぶん赤旗」

福島原発の臨界事故把握せず

問われる国の監督責任


解説

 北陸電力志賀原発1号機での臨界事故隠しが明らかになった後、同型(沸騰水型)の原発での制御棒脱落事故が次々明らかになっています。二十九年も前の一九七八年に、東京電力福島第一原発で重大な事故が起きていたにもかかわらず、これまで国はまったく把握していませんでした。

 電力会社も原発メーカーも、事態を隠したままで、何の対策もとられませんでした。国に原発を監督・規制する能力のないことをはっきり示しています。

 チェルノブイリ原発事故が起こった後、原子力安全条約のなかで、原子力の規制機関と推進機関を明確に分離する必要が指摘されています。原発推進の経済産業省から完全に独立し、十分な監督能力のある規制機関を確立する必要があります。(前田利夫)


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