2007年3月18日(日)「しんぶん赤旗」
人の存在も9条も尊い
京都 「九条の会」がセミナー
「九条の会」の憲法セミナーが十七日、京都市北区の立命館大学で開かれ、同会呼びかけ人で哲学者の鶴見俊輔さんと、「宗教者九条の和」呼びかけ人で京都仏教会理事長・臨済宗相国寺派管長の有馬頼底さんが、「いま語る九条の心」と題して平和の尊さと憲法九条の値打ちを語りました。
鶴見さんは、米国留学中の一九四一年の日米開戦当時から日本の敗戦を予想していたと述べ、負ける戦争に国民を駆り立てた軍部を批判。大戦中には友好国の国民を殺したことを取り上げ、「矛盾だらけの戦争だった。国会にある世界史が間違っている」と指摘し、歴史を否定し米国の圧力で憲法「改正」をねらう政府を批判するとともに、「人間は誰しも人を殺すべきではない」との思いから「九条の会」に加わっていると強調しました。
有馬さんは、金閣寺を訪れたブッシュ米大統領夫妻を案内したさい、「世界が平和でなければいけませんね」と話しかけ、大統領が「イエス」と答えたエピソードに触れたうえで、「草も木も石ころもこの世に存在するものはすべて仏で命が輝いている。その命を奪って良いはずがない」との「不殺生(ふせっしょう)戒」を語り、「人間が存在することそのこと自体が尊い」と強調。「世界で唯一、戦争をやりませんと言った日本が戦争の道を開き、自衛隊がドンパチをやろうとしている」と指摘し、「世界の国が九条を採用しないと戦争が終わらない」と述べ、頑張ろうと呼びかけました。
セミナーには、北海道から山口まで全国の三百三十人が参加しました。
■関連キーワード