2007年3月17日(土)「しんぶん赤旗」
女流棋士独立 「全員で」
連盟との交渉難航で説明会
設立準備委
日本将棋連盟(米長邦雄会長)からの独立をめざす女流棋士の新法人設立準備委員会(中井広恵委員長)は、同連盟理事会との話し合いが難航している事態の打開のため、十六日、東京・千駄ケ谷の全郵政会館で説明会を開きました。
説明会には女流棋士二十七人のほか男性棋士も参加して行われました。
女流棋士会(藤森奈津子会長)は昨年十二月の臨時総会で女流棋士の独立組織設立へ動きだすことを決め、準備委員会が将棋連盟理事会と協議を行ってきました。
二月中旬になって理事会は「十二月以降静観してきたが、女流棋士のなかに独立に慎重な棋士が増えてきた。何らかの対応をせざるを得ない」(西村一義専務理事)として態度を硬化させ、女流独立にブレーキが掛かっています。
三月に入ると米長将棋連盟会長名で二十二日までに連盟残留か新法人移籍かの意思表示を求める文書が女流棋士に送付され、準備委員会は「分裂を前提として固定化させるもの」と反発し、文書撤回と関係者による話し合いを求めてきました。それに対し理事会からその意思はないとの回答が寄せられたといいます。
理事会が態度を硬化させたことにより、女流棋士の中に、独立しても対局の権利が保障されるのか不安が広がる中での説明会となりました。
説明会では男性棋士から「女流分裂は将棋界にとって良くない」との意見が出たといいます。
記者会見で中井委員長は「分裂を望まず全員で移るという方針で今後も進める。いろんな指し手を考えながら局面を打開したい」と述べました。