2007年3月17日(土)「しんぶん赤旗」

外国人研修悪用を告発

ベトナム人実習生ら 未払い賃金返還求める


 月三万円を「強制貯金」され、最低賃金を下回る三百十二円ほどの時間給で働かされた―。茨城県内の縫製工場で働いていたベトナム人実習生が十六日、外国人研修・実習制度を悪用された違法な労働実態を告発し、貯金を含める未払い賃金の返還を求めました。全労連・外国人労働者問題連絡会の寺間誠治事務局長らが県庁で記者会見し、明らかにしました。


茨城の縫製工場 時給312円

 告発したのは二十四歳と二十五歳のベトナム人女性六人。茨城繊維協同組合(加藤大裕代表、二十二社)が二〇〇四年四月に受け入れ、大子町内の三社で一年の研修を経た後、一月まで実習生として働いていました。

 同連絡会によると、一つの縫製工場にあるとされる「大裕」など三社(いずれも加藤竹夫社長)が今年一月末に倒産したことから、女性たちは三月に首都圏移住労働者ユニオンに加入。受け入れ期間の上限は三年で四月に期限が切れることもあり、未解決のまま十七日に帰国します。

 六人は、社長から「脱走防止のため」とパスポートを違法に没収され、工場内フロアに続く二段ベッドを十一個並べた寄宿舎に居住させられていました。研修生には禁じられている残業のほかに内職、休日出勤をさせられました。実習生になると、徹夜作業、午前三、四時の未明に及ぶ労働が数回ありました。三社の実態は一つの会社で、日本人従業員五十人以下の企業には、外国人研修・実習生が三人まで認められることを悪用した偽装工作だとしています。

 会見したレー・ゴック・タオさん(24)は「日本は夢のある国と思っていた。日本に来て技術を習得できると期待したが、このような不幸な体験で気が重く、言葉で表現できない。ほかの研修・実習生には、よりよい環境と労働条件を期待したい」と語りました。



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