2007年3月17日(土)「しんぶん赤旗」

主張

堀江被告実刑

市場荒らすマネーゲーム断罪


 ライブドア事件で証券取引法違反の罪に問われた同社の堀江貴文前社長に対して、東京地裁が懲役二年六月の実刑判決を言い渡しました。

 事件当時、小泉内閣と与党は、ライブドアと堀江被告を「改革の旗手」と持ち上げ、「構造改革」の象徴的な存在に仕立て上げていました。

 堀江被告が二〇〇五年の総選挙に立候補したとき、竹中平蔵経済財政・郵政民営化相は「小泉、ホリエモン、竹中で改革をやり遂げる」と演説しています。武部勤・自民党幹事長は、「(堀江被告を)私の息子と思って応援してほしい」と演説し、「党改革で知恵を貸してもらいたい」とまでのべました。

政府・与党の責任

 安倍首相は当時、自民党の幹事長代理として「小泉内閣が構造改革を進めなければ堀江氏は出てこなかった」と発言しています。政府・与党は、堀江被告を持ち上げることによって、同時に「構造改革」の「成果」をアピールしていたのです。

 実際にライブドアが利用したのは「貯蓄から投資へ」の名目で実施された「株式交換」や「株式分割」など、金融「構造改革」の産物です。

 相次ぐ規制緩和が、ライブドアの犯罪の道具立てとなったことは明らかです。その堀江被告とライブドアの「商法」が断罪されました。

 規制緩和万能路線の面でも、政治利用の面でも、政府・与党の責任はきわめて重大です。

 証券取引法違反に問われたのは、株式交換という新手による企業買収を実施した際に虚偽情報を公開したこと、架空売り上げの計上や支配下の投資事業組合を駆使して自社株売却益を利益に付け替えるなどして、決算を粉飾したことです。

 地裁判決は、いずれも株価の上昇などを狙って情報開示制度を悪用した事案であり、堀江被告が中心的な役割を担ったと認定しました。その上で、「一般投資者を欺き、その犠牲の上に立って、企業利益のみを追求した犯罪」だと指摘しています。

 被告側は、当時の会計ルール上は、投資事業組合によるライブドア株売却益は利益に計上できると主張し、さらに堀江被告は事件に関与していなかったとのべました。

 しかし、自社株の売却益を利益に計上するのは、新株を発行して得た資本金を利益だと偽るのに等しい行為です。ライブドアが躍進しているように見せかけて投資家をだます明らかな不正です。最高経営責任者の堀江被告が「知らなかった」などというのはあまりにも不自然です。

 判決は「本来は利益の発生し得ないところに利益が発生しているように偽り、見せかけの成長を装っていた」とのべています。まさに「構造改革」によって可能となった手法を悪用した「錬金術」です。

総合的な規制見直しを

 断罪されたライブドアの「錬金術」は、ライブドアが投資家を欺いた「商法」のうち、違法性が高すぎて見逃せない事案に限られています。

 ライブドアには多数の個人投資家が投資していました。本来なら、司直の手が入る前に、市場に対する規制、市場のルールによって不正の芽を摘み、投資家への被害を最小限に抑えなければなりません。

 この方向に完全に逆行してきた規制緩和万能路線の抜本転換は急務です。預金や保険を含む金融被害から国民を守る包括的な法規制、証券業界・取引所や金融商品のあり方、情報開示や監督・監視体制など、事前規制を含む総合的な規制の確立にとりくむ必要があります。


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