2007年3月11日(日)「しんぶん赤旗」

東京大空襲は大虐殺

語り継ぐ集い 井上ひさしさん講演


 東京の下町を中心に米軍が民間人を無差別爆撃した大空襲から六十二年の三月十日、「東京大空襲を語り継ぐつどい」が東京都江東区で開かれ、作家で日本ペンクラブ会長の井上ひさしさんが講演しました。五百五十人余が参加。主催は同つどい実行委員会です。

 井上さんは講演のなかで、約十万人が死亡した東京大空襲は「一から十まで人を殺すことを計算し尽くした大量虐殺だった」とのべました。そして、その爆撃を計画した米軍人に対し、戦後日本政府が勲章を贈った事実を指摘し、「このおかしさを絶対に忘れてはいけない」と強調しました。

 また、非核兵器をうたった条約を結ぶ国々が増え、現在非核兵器地帯が世界の六割に広がっていることを紹介。「信頼に基づいた条約を結び合い、核兵器をしっかり追い出している事実は私の未来への希望」だと語りました。

 東京大空襲・戦災資料センターの館長で作家の早乙女勝元さんがあいさつ。募金により建てられた同センターが開館五周年を迎え、増築、リニューアルされたことを紹介しました。

 八歳のときに東京大空襲に遭った女性は、「子どもたちに戦争を体験させてはいけない。優しい平和な時代になってほしいと思い、語り継いでいる」と自身の体験を語りました。

 戦災資料センターを見学した小中高の生徒たちが感想文や紙芝居を発表しました。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp