2007年3月11日(日)「しんぶん赤旗」
40市町 ブッシュ弾劾求める
「国民欺きイラク開戦」
米バーモント州 タウンミーティング
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米北東部ニューイングランド地方のバーモント州(人口六十万人強)で六日、各市町のタウンミーティングが一斉に開かれ、現地からの報道によると、連邦議会にブッシュ大統領弾劾を求める決議が四十市町で、イラク派遣兵士の即時帰国を要求する決議が約二十の市町で採択されました。
ブッシュ弾劾要求決議は、同大統領が虚偽の情報を使ってイラクに大量破壊兵器があると唱え、国民を欺いて戦争を強行したことと、二〇〇一年の同時多発テロ事件後に違法盗聴を行っていたことを、その主な理由にあげています。
採択した市町には、同州最大都市バーリントン(人口約四万人)、ベニントン(同約一万五千人)、ミドルバリー、リッチモンドが含まれています。多くの市町で全会一致で決議され、ベニントンでは民主党支持者の提案を共和党も支持しました。
バーモント州議会は先月十三日、米軍のイラク増派に反対し、早期撤退を求める決議を上下両院で採択していますが、ブッシュ大統領の弾劾は求めていません。
昨年のタウンミーティングで弾劾要求決議をあげたのは五市町にとどまっていました。
決議には連邦議会への拘束力はありません。しかし、バーリントン市選出のザッカーマン州下院議員(進歩党)は、「立法府で新たな議論を促すのに役立つ」「大統領は引き続き釈明を迫られる」と、決議が広がった意義を強調しています。
六日の一斉タウンミーティングに向けては、二月半ばから州民の間で弾劾要求決議案の議論と支持集めの行動が始まり、新聞やラジオでの広告を展開。タウンミーティング直前の二―四日には同州の「反戦イラク退役軍人会」の会員三人と「反戦の母」のシンディ・シーハンさん、地元のミュージシャンで木工細工職人のダン・デウォルトさんらが各地を回り、弾劾要求決議への支持とタウンミーティングへの出席を集中的に訴えてきました。
ダン・デウォルトさんは言います。「この運動はいまや、誰かに促されるものではなく、各人が自分たちの手で動かすようになっている。日々の行動、アイデアがさまざまなグループ、個人から生まれている」(居波保夫)
バーモント州のタウンミーティング 市町の問題を居住有権者が集まって討議し、投票で多数意見を明らかにする直接民主主義の集会。同州では独立前にさかのぼる二百三十年以上の伝統をもち、毎年三月の第一火曜日に開催され、この日は「タウンミーティングデー」と呼ばれます。当該市町の公職者選出、市町や学校の予算などの問題で賛否を決定するほか、州や全米レベルの問題を討議する場ともなります。