2007年3月10日(土)「しんぶん赤旗」
「音楽・九条の会」がコンサート
“作曲家の平和の心伝えたい”
一本のクラシック・ギターが奏でる音色が、会場を温かな空気で包みました。
「音楽・九条の会」が九日、東京のアールズアートコート(労音会館)で開いたコンサートに約百四十人が参加し、ギター音楽に聞き入りました。出演は、クラシックから現代曲まで幅広いレパートリーを持ち、世界的に活躍するギタリストの鈴木大介さんです。
この日のために組んだというプログラムを一曲ずつ紹介しながら、ギターの音を確かめるように耳を近づけ、滑らかに弦をはじきます。第一次世界大戦やスペイン内戦について話し、戦争で犠牲になった作曲家の作品や平和を願い作られた曲を演奏しました。
トークでは、「音楽・九条の会」呼びかけ人で作曲家の池辺晋一郎さんが会場にかけつけました。池辺さんは、防衛庁が防衛省になったことに触れ、「日本が平和や核廃絶を呼びかけても、ナイフを持ってけんかをやめろというようなもの。軍隊を持たずに平和を呼びかける『名誉ある地位』(憲法前文)をとりもどそう」と語りました。
池辺さんの話を受けて、鈴木さんは「日本の作曲家の平和の心を伝える演奏ができるよう頑張りたい」とこたえ、林光「裸の島」、池辺晋一郎「カーチャのテーマ」(映画「スパイ・ゾルゲ」から)などを演奏。会場から大きな拍手が送られました。