2007年3月10日(土)「しんぶん赤旗」
英国の最低賃金 毎年引き上げ
8年で1.5倍
【ロンドン=岡崎衆史】英政府は7日、全国最低賃金(時給)を10月から最大約3.2%引き上げることを明らかにしました。22歳以上の労働者の現在の最低時給は、5.35ポンド(約1200円)から5.52ポンド(約1240円)に引き上げ。1999年4月の導入以来、8年連続の引き上げで、導入時の1.5倍となります。
全国最低時給は、現ブレア政権が初めて導入。導入時の22歳以上の最低時給は3.6ポンド(約810円)でした。
ダーリング貿易産業相は、今回の引き上げで100万人以上が恩恵を受け、その3分の2が女性だと説明しました。
政府はまた、最低時給を守らない企業に対して、より厳しい罰則を設ける意向を示しました。
労働組合会議(TUC)のバーバー書記長は「英国の最低賃金は偉大なサクセスストーリーだ」と述べ、最賃制度がなかった英国が世界有数の高い最低賃金を定める国となったことを評価。一方で、今回の引き上げ率が、平均収入の上昇率を下回ったことには不満を表明しました。
経済団体の英産業連盟(CBI)は歓迎の声明を出しました。