2007年3月9日(金)「しんぶん赤旗」
改憲手続き法案
公聴会日程先送り
抗議の中、委員会流会
自民、公明両党が改憲手続き法案の月内衆院通過を狙い、中山太郎委員長の職権で開催を決めた衆院憲法調査特別委員会は八日、与党への抗議と批判の強まりの中、開会にいたらず公聴会日程の議決を強行できないまま流会しました。
与党は改めて理事懇談会の開催を野党側に呼びかけ、来週再び公聴会の日程を決めるための委員会開催を目指す方針で、月内衆院通過を狙う姿勢は変わっていません。
午前九時すぎから委員会室には、改憲手続き法案の強行に反対する市民らが多数傍聴につめかけるなど緊迫した雰囲気に包まれました。理事会室周辺も、野党議員とマスメディア関係者でごったがえしました。
日本共産党の笠井亮議員は、委員会に先立つ理事会に出席し、改めて公聴会開催の議決のために職権で委員会開催の決定を強行したことに抗議。配られた公聴会の案ではわずか三時間の日程で、国民の公募も行わない内容となっていることを指摘し、「国民の意見をまじめに聞くようなものではない。法案の採決が前提となっている公聴会の持ち方自体も到底容認できない」と与党の対応を厳しく批判しました。民主党、社民党は理事会への参加を拒否しました。
与党内からも強引な運営に慎重論が出ました。
中山委員長は、流会の理由として「憲法にかかわる議論で与野党がばらばらな状態だと国民に不安を与える」などとのべ、与党単独での強行論が国民との矛盾を深めざるを得ないことを事実上認めました。