2007年3月8日(木)「しんぶん赤旗」
毒物の上に市場作るな
築地から移転反対 1500人デモ
東京
毒物の上に市場をつくるな。食の安全を守れ――。昼時の銀座(東京・中央区)に威勢のいい声がとどろきました。七日、東京都が進める築地市場の移転計画に反対して市場関係者千五百人がデモ行進しました。
主催は水産仲卸業者でつくる「市場を考える会」、日本環境学会、日本消費者連盟、日本科学者会議公害環境問題研究委員会など。
デモ出陣式で「市場を考える会」の山﨑治雄代表幹事は「豊洲は土壌汚染まみれ。市場をつくるわけにはいかない」と訴えました。
長靴、ねじり鉢巻きのいでたちに「有毒汚染地に魚。きれいな土地にオリンピック。バカにするな」のプラカード。
水産仲卸業の男性(51)は「人体への影響が出たら石原知事は責任を取れるのか」。妻の玲子さんは「景気が悪くて豊洲へ引っ越せない業者が大半。お客さんも築地だから来てくれる。不安だらけです」といいます。
デモに初めて参加した主婦(43)=足立区=は「港区は東京ガス跡地への小学校移転を中止しました。市場もやめるなら今」と話しました。
デモには日本共産党の小竹ひろ子都議、築地市場で働いた経験がある革新無所属の中央区長選候補、佐藤龍雄さんと江東区長選候補の中野幸則さん、日本環境学会の坂巻幸雄副会長が参加しました。
新橋駅でデモを見ていた沖縄県出身の学生(21)は「土壌汚染のこと知らなかった。築地は活気があって大好きなところ」と語りました。
「市場を考える会」の山﨑代表幹事らは、同日農林水産省、環境省へ請願しました。
築地市場の豊洲移転計画 東京都は築地市場(中央区)の東京ガス豊洲工場跡地(江東区)への移転計画を進めています。工場跡地からはベンゼン、シアン、ヒ素、水銀など環境基準を超える有毒物質が検出されました。移転計画は一九九九年、石原慎太郎都知事の誕生で加速し、築地跡地に二〇一六年招致をめざすオリンピックのメディアセンターの建設が予定されています。