2007年3月8日(木)「しんぶん赤旗」
無料の議員会館に光熱水費
農水相、詳細公表拒む
井上議員追及
日本共産党の井上哲士議員は七日の参院予算委員会で、松岡利勝農水相の資金管理団体が、水道代や冷暖房費が無料の議員会館に事務所をおきながら、二〇〇一年から〇五年までの五年間に約二千八百八十万円の光熱水費を計上していた問題をとりあげました。事務所費問題に続く政治資金の新たな疑惑です。
井上氏は、議員会館を資金管理団体の「主たる事務所」としている国会議員百六十三人のうち、政治資金収支報告書に光熱水費をゼロと報告している議員が三分の二の百十人にのぼる独自調査を示し、「なぜ松岡農水相の議員会館の部屋だけはこんなに費用がかかるのか」と追及しました。
松岡農水相は「他の議員のことはわからない」としたうえで、「私は適切に報告している。それ以上の内容を示すことは現行制度で予定されておらず、控える」と詳細の公表を拒否しました。
井上氏は、〇五年の政治資金収支報告書で松岡農水相が支部長を務める自民党熊本県第三選挙区支部の光熱水費が約三十八万円、松岡利勝後援会は約六十六万円となっていることを指摘し、「なぜ光熱水費がかかる事務所の金額が三十八万円、六十六万円なのに、光熱水費のかからない議員会館はその十倍以上がかかるのか」と迫りました。
松岡農水相は「適切に報告している」と言い逃れるばかり。井上氏は光熱水費の内訳で松岡農水相が五日の同委員会で「還元水」などをあげたことから「還元水器具が存在する事実はあるのか」と求めましたが、松岡農水相は「報告する内容ではない」とさらに拒否しました。
井上氏は「かかった費用は正直に報告するという大前提のルールに反しているのではないか。明らかな疑惑を持たれている政治家がどう対処すべきかが問われている」と批判しました。