2007年3月8日(木)「しんぶん赤旗」
改憲手続き法案 与党強硬姿勢
月内衆院通過狙う
公聴会設定へ きょう委員会強行
九条改憲に直結する改憲手続き法案をめぐり、七日の衆院憲法調査特別委理事懇談会で、自民・公明の与党は、八日に委員会を開会し、十五日の公聴会設定を議決するよう提案しました。日本共産党、民主党、社民党は反対しましたが、中山太郎委員長(自民)が職権で強行しました。安倍晋三首相が五月三日の憲法記念日までに同法案を成立させるよう指示したことを受けた動きで、改憲に直結する法案をめぐり重大な局面を迎えました。
同法案をめぐっては、自民党が二十二日の委員会採決、二十三日の衆院通過を目指していると報じられ、自民党の特別委メンバーの事務所に抗議が殺到する事態になりました。憲法改悪阻止各界連絡会議も緊急行動を呼びかけました。
日本共産党の笠井亮議員は理事懇で、採決を前提とした公聴会に断固反対する立場を表明。「報道によると理事会で協議もしないうちから委員長の職権で委員会を開くことまで決めている。委員長の越権行為だ」と批判しました。笠井氏は報道を否定する中山委員長らに、「違うというなら、まず国民の前に明らかにして、協議は出直すべきだ」と強調。そのうえで、改憲を狙う安倍首相がそのために法案をつくるといい、期限を区切って法案を強行しようと主導していると批判しました。
与党と法案の一本化をすすめてきた民主党も、予算案審議の段階から衆院全体が不正常な状態にあり、日程協議には応じられないと表明。安倍首相が憲法を政争の具にしており、採決を前提としないことが保障されないとして、公聴会開催に反対しました。
笠井氏は理事懇後の記者会見で、「憲法という重大な問題で議会制民主主義を踏みにじる今回のやり方をみても法案のねらいは明らかだ。廃案しかない」と述べました。