2007年3月7日(水)「しんぶん赤旗」
石原都知事 「公私混同」の勤務
時給4万7千円 自分の映画見学も
庁内外で1日平均4時間9分
都議会予特委 吉田議員が追及
公務時間に映画撮影見学をしても、時給四万七千円余、勤務時間は一日平均四時間九分―。東京都の石原慎太郎知事による公私混同の勤務実態が六日、都議会予算特別委員会で明らかになりました。日本共産党の吉田信夫都議が追及しました。
二〇〇六年二月から〇七年一月までの一年間で、石原知事の登庁日は百三十日。四十五分の会議に出席しただけですぐ都庁を出てしまう日もあり、平均在庁時間は四時間二十分です。庁内外合わせて確認できる勤務時間は、一日平均四時間九分にすぎません。
石原知事は昨年二千八百万円ほどの報酬を受けています。知事の仕事をしている日数は、日当が出ている海外出張を除くと百五十日。日給換算で約十九万円、時給換算すると四万七千円余りになります。
吉田氏はこの事実を指摘し、「多くの青年が時給八百円くらいで働いている。老人福祉手当を廃止するなど福祉を切り捨てる一方で、自らと側近は公費で飲み食いや豪華海外出張を行い、改めようとしない知事の姿勢が問われる」と批判しました。
知事の庁外での勤務内容もまったく不明で、公私の区別が定かでないものがあります。昨年五月十八日の知事の日程表には、外で知事としての仕事をしていると説明されている「庁外」と記載されているだけで行き先や時間はわからないのに、公用車を使っています。
吉田氏は、この日の石原知事の行動が、石原知事の公式ホームページで練馬区の映画撮影所に「撮影の見学に赴いた」と写真つきで紹介されていると指摘。この映画は、総指揮・脚本を石原知事が担当しています。
吉田氏は、「庁外」と記載されている日に自らの政治資金パーティーを開いたり、石原知事が休暇や休日に公用車を使用した記録があることもあげ、「個人の私的行動だ。政策形成にかかわる関係者と会っていたわけでなく、政策を具現化するための現場視察でもない」と批判。「休暇日や撮影所に行った公用車の費用を都に返還すべきだ」とただしました。
石原知事は「純然たる休暇に公用車を使ったことはない」など言い訳に終始。吉田氏が調査を求めたのに対し、知事本局の山口一久局長は「後ほど調べさせていただく」と答えました。
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