2007年3月3日(土)「しんぶん赤旗」
米ホームレス 75万人
1日に33万5000人施設利用
住宅都市開発省調査
【ワシントン=山崎伸治】米住宅都市開発省は二月二十八日、米国内のホームレス人口が推計で七十五万四千人に達するという調査結果を発表しました。これは同省が初めて議会に提出した「ホームレス評価年次報告」に盛り込まれたもの。同省がホームレスの統計を明らかにしたのは一九八四年以来のことといいます。
報告は二つのデータを紹介しています。
一つは二〇〇五年二―四月の三カ月間に、無作為に選んだ八十自治体で「緊急避難施設」や「臨時住宅」などのホームレス収容施設を利用した人の数です。
それによるとこの三カ月間、施設を利用したのは一日平均約三十三万五千人。そのうち成人の65%が男性で、年齢別では三十一―五十歳が全体の41%を占めています。66%が独身者で、59%が非白人。成人の19%が退役軍人となっています。
もう一つのデータは、同省が地方自治体を通じて〇五年一月の特定日にいっせいに行った調査で、三千八百以上の地方自治体の収容施設と路上にいるホームレスの人たちを実際に数えて集計したもの。その結果、ホームレスは全米では推定で七十五万四千人で、うち約45%が路上にいた人たちだったとしています。
この数字について報告は「これまでの研究結果と比べても、ホームレス人口がこの十年間に大きく変化したという証拠はない」と指摘。ホームレスが米国で引き続き深刻な問題であることを裏付けています。