2007年3月3日(土)「しんぶん赤旗」
仕事と家庭の両立調査
育休とりづらい36%
長時間労働で出産後働きにくい
「労働時間が長くなるほど、結婚・出産後も働き続けることが困難だと思っている人が多い」「社員の三人に一人が、育児休業がとりづらいと回答している」―。労働政策研究・研修機構(厚生労働省所管の独立行政法人)がこのほど発表した「仕事と家庭の両立支援にかかわる調査」結果で分かりました。
一週間の平均労働時間(残業を含む)の長短別に、社員に「現在勤めている会社が結婚・出産後も職場を辞めることなく働ける会社だと思うか」をたずねると、労働時間が長くなるほど「働き続けられると思わない」との回答の割合が高くなりました。(グラフ)
育児・介護休業法で企業に義務付けられている育児休業制度がある企業は98・6%。管理職、社員とも九割が同制度の存在を知っていました。その一方で、36・1%の社員が育児休業がとりにくいと答えました。
同じく義務付けられている短時間勤務制度を導入している企業は75・7%ですが、制度があっても管理職の37・5%、社員の43・0%が制度の存在を知りませんでした。また、社員の半数(50・0%)が短時間勤務がとりにくいと答えました。
社員に、平日に配偶者と一緒に過ごす時間(一日当たり平均)を尋ねると、三―五時間未満がもっとも多く(46・7%)、次いで一―三時間未満の31・7%でした。一週間の平均労働時間の長短別に、社員に「配偶者と過ごす時間がもっとほしいと思うか」との質問には、労働時間が長くなるほど「もっとほしい」と答えた人の割合が高くなりました。
企業を対象とした調査で両立支援制度にとりくむ理由を尋ねると、法で定められているから(85・5%)、企業の社会的責任を果たす(72・8%)、女性従業員の定着率を高める(63・9%)、女性従業員の勤労意欲を高める(59・6%)、採用で優秀な人材を集める、従業員の仕事に対する満足度を高める―の順でした。(複数回答)
九割の企業が女性従業員の勤労意欲や定着率を高めるうえで効果があったと回答しました。
同調査は、企業の仕事と家庭の両立支援の動きを明らかにするため、二〇〇六年六月末―七月末に実施しました。全国の従業員三百人以上の企業六千社とそこで働く管理職三万人、社員六万人を対象に行われました。
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