2007年3月3日(土)「しんぶん赤旗」
刀剣協会
注意後も「違反」審査
佐々木議員追及 5年間で約600件
二〇〇一年十月に刀剣や刀装具の審査について、財団の役員、職員、親族は申請できないよう改善するようにと、文化庁から「改善・注意」を受けていた財団法人・日本美術刀剣保存協会(佐々淳行会長)が、それ以後も六百件近い業務改善措置に反する審査を続けていたことが一日、衆院予算委員会の分科会で明らかになりました。日本共産党の佐々木憲昭議員が質問で明らかにしました。
同協会は、刀剣などを審査、鑑定し、保存・特別保存、重要・特別重要などの指定を行っています。特別重要などに指定されれば、価格が上がることもあり、インサイダー取引と疑われることのないよう厳正な行動が求められます。
文化庁によると、同協会は〇一年十一月から〇七年一月までに業務改善措置に反する審査を、重要・特別重要刀剣の審査で五十九件、保存・特別保存刀剣の審査で五百二十七件、行っていました。現職理事も、理事就任日以前を除き二十七件にかかわっていました。
佐々木氏は、二月二十六日付の同協会内部文書で「理事やその親族の申請を排除したりするのは弊害あって実利なし」などと開き直っていることを示し、「審査を行う者が申請し鑑定を行うということは、極めて不自然」と追及。違反した者への厳正な処分とともに、審査内容の情報公開、審査基準見直しなどを求めました。
伊吹文明文部科学相は「調査を行い、おかしなところがあれば、指導・監督、命令などを行っていく」と答えました。