2007年3月2日(金)「しんぶん赤旗」
「君が代」強制・嘱託不採用訴訟
教職員の信念に反する
東京地裁口頭弁論
東京都教育委員会の強制に従わず卒業式などで「君が代」斉唱時に不起立だったため処分され、定年後の嘱託としての採用を拒否されたのは不当として、元都立高校教職員十三人が都に損害賠償を求めている裁判の口頭弁論が一日、東京地裁(中西茂裁判長)で開かれ、原告四人にたいする本人尋問が行われました。
原告の一人は、生徒に一方的に押しつけることは自らの教員としての信念に反すると述べ、都教育委員会が議論もなく「日の丸・君が代」を強制してきたことには従えなかったと証言しました。
別の原告は、「自ら考え、行動する人間を育てる」という自分の考えと、強制に従うことは一致しなかったと不起立の理由を語りました。さらに、処分が繰り返されたら嘱託に採用されなくなると考えて起立したときのことを「自分の良心を裏切ることになると苦もんし、下を向いたまま起立した。黒い霧で覆われているように感じた。悔しく、つらい思いだった」と証言しました。それでも不採用になり、推薦書を書いた校長が都教委に抗議したと述べました。