2007年3月2日(金)「しんぶん赤旗」
3病院存続の方針
兵庫・但馬 住民運動の成果
医師不足を理由に、兵庫県但馬地方の公立九病院の縮小再編をすすめようとしている「但馬の医療確保対策協議会」(三市二町長や医療関係者、兵庫県などで構成)は二月二十八日、当初の再編案では無床または十九床以下の診療所に転換するとしていた出石、梁瀬、村岡の三病院を、三十五床程度の病院として存続させる方針を明らかにしました。また、四月実施予定だった公立病院再編は十月に延期されました。大きく高まった住民の反対運動の成果です。
協議会の報告書によると、同三病院から四人の医師を回すなどで豊岡病院への医師集約をはかり、豊岡病院は新たに神経内科、胃腸科など複数の症状を一人で診療できる「総合診療部」(医師六人)を新設し、全医師の負担を減らすとしています。病床は、三病院が十五床ずつ、香住、浜坂の二病院が五十床程度減らします。
今回の再編案は、「医師不足に対する数年間の暫定措置」としており、許可病床数を減らさず、医師の確保ができた場合には再編前に復活させる含みも持たせています。
二月二十五日に開かれた「医師確保・公立病院守れ但馬大集会」の実行委員長、前田貞夫弁護士は、「『診療所化・四月実施』という無茶な計画を退けたのは運動の成果です」と話しています。