2007年3月2日(金)「しんぶん赤旗」

都知事提案に100%賛成

民主に跳ね返る「打倒石原」


 「今の石原都政、一言で言えば『独善に陥った都知事』」。二月二十八日の民主党都連のパーティーで、菅直人代表代行はこう批判しました。田中良都議団幹事長も「首長が多選を続けていると、さまざまな弊害が表れてくる。二期八年で、石原都政はまさにその多選化現象が表れている」と呼応し、「打倒石原」まで叫びました。

 しかし、石原批判のこぶしに力を入れるほど、石原都知事提案の議案に都議選後、100%賛成してきた民主党の態度が問われます。田中幹事長は「打倒石原ということを、昨年十一月九日に(都議会民主党の)総会で決定した」といいますが、十二月議会で心身障害者扶養年金の廃止など知事案件にすべて賛成しているから底が割れます。

 円より子都連会長は教育、住宅など子育て問題を取り上げ、「石原都政では教師と教育行政の間に信頼関係がない」「超高層ビルをつくり、多額の道路をつくることばかり」と問題を列挙。「暮らしの安全を破壊された都民のことなど、あの人の目には入っていない」と言い切りました。

 東京都で、教師と教育行政の間に信頼関係がない最大の原因は、「日の丸・君が代」の強制・処分です。強制の急先ぽうに立ち、「国歌斉唱時に起立もしない教職員がいまだに存在する。都教委は、国歌・国旗の適正実施に向けて…どのように指導していくのか」と迫ったのは、同党の土屋敬之都議(〇三年七月)です。

 同年三月には同党の相川博都議が、羽田空港の早期再拡張や三環状道路の整備促進のため、「都債の追加発行による投資的経費の増額も考慮すべき」と、“借金してでも投資を増やせ”と迫っています。都民の暮らしにかかわる、寝たきり高齢者の老人福祉手当の廃止、老人医療費助成の廃止などにも、民主党はすべて賛成してきました。

 田中幹事長は、石原都知事の都政私物化を氷山の一角に例え、「(氷山の)水面下がどうなっているか、ぜひご想像いただきたい」と呼びかけましたが、見えてくるのは自民、公明とともに石原都政を支えた民主党の姿です。(佐久間亮)


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