2007年3月1日(木)「しんぶん赤旗」
柏崎刈羽原子炉
緊急停止を未報告
また東電が記録不正
原発の法定検査時の約二百件の不正が明らかになった東京電力で、また新たな不正が明らかになりました。
東電によると、一九九二年二月、柏崎刈羽原発(新潟県)1号機で定期検査に入るために、原子炉の出力を低下中にトラブルが発生し、原子炉が緊急停止しました。原子炉が緊急停止した場合には国への報告義務がありますが、報告していませんでした。作業記録には、「安全に停止した」と書かれていたといいます。
東京電力は、法定検査の不正行為が明らかになったことから、経済産業省原子力安全・保安院から、詳細な事実関係と再発防止策をまとめて三月一日までに報告するよう指示されていました。今回明らかになった不正は、そのための調査をしているなかで判明したといいます。
柏崎刈羽原発1号機では、九二年五月の定期検査時に、緊急炉心冷却装置(ECCS)系のポンプの一つがモーターの故障で動かなかったのに、正常に動いているように表示させたうえで検査を受けて合格させていた不正が明らかになっています。