2007年3月1日(木)「しんぶん赤旗」

イラク問題

国際会議に米出席へ

イラン・シリアにも呼びかけ


 【ワシントン=山崎伸治】ライス米国務長官は二十七日、上院歳出委員会の公聴会で、イラク政府が三月前半にバグダッドでイラク情勢に関する国際会議を開き、米政府も出席することを明らかにしました。イランとシリアを含むイラクの近隣諸国に出席を呼びかけており、ライス氏は「すべての政府がこの機をとらえ、イラクとの関係を改善し、地域の平和と安定のために努力することを望む」と述べました。

 米政府はこれまで国交のないイラン、テロ支援国に指定したシリアとの直接交渉を避けており、両国が出席する会談を支援することは、米国にとって政策上の転換といえます。

 昨年十二月に公表された超党派の委員会・イラク研究グループの最終報告書は、イラク問題打開のためにイランやシリアとの交渉を提起しましたが、ブッシュ大統領は否定的でした。ライス氏は公聴会の証言で、国際会議を「イラク研究グループの主要な答申の一つだ」と述べました。

 会議には米国以外の国連安全保障理事会常任理事国や国際機関の代表も出席する予定。四月前半には、主要八カ国(G8)も交えての閣僚級の会談も予定されています。

 公聴会では共和党のスペクター議員が国際会議開催について、「外交は不可欠の要素だ」と歓迎を表明しました。民主党のリード上院院内総務はこの日の記者会見で、「もっと早くやるべきだった。イラク戦争は軍事ではなく、外交で勝利するものだ」と述べました。

 国務省のマコーマック報道官はこの日の定例会見で、イラク政府が議題を決めるとしたうえで、「イラクの国民和解や経済建設、治安問題」などが話し合われると述べました。


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