2007年3月1日(木)「しんぶん赤旗」

神戸市立保育所

民間移管ストップ

仮差し止め地裁決定「保護者の権利侵害」


 神戸市西区の市立枝吉保育所の廃止・民間移管差し止めを求めて訴訟で争っている保護者らは二十八日、記者会見し、三月末の同保育所廃止を仮に差し止める決定を神戸地裁が二十七日に出したことを明らかにしました。公立保育所が廃止・民間移管される前に法的措置によってストップがかかるのは初めて。

 保育士が総入れ替えになることなど児童への悪影響を心配する枝吉保育所の保護者は昨年十二月、神戸市を相手に、廃止・民間移管差し止めを求めて提訴し、判決言い渡しまで廃止することを仮に差し止める申し立てもしました。保護者・児童約百八十人が原告です。

 地裁の決定は、現在の市の計画では、引き継ぎのための新・旧保育士による共同保育を三カ月間おこないますが、民間移管前はわずか五日間であることを厳しく批判。新しく運営する法人は児童の安全に責任を負うが、「五日程度で、個々の児童の個性などを把握し、生命、身体に危険が及ばない体制を確立できるとはおよそ考えられない」とし、「市の裁量権の逸脱であり、保護者や児童の保育所選択権を侵害するもの」としました。

 神戸市は即時抗告する意向。抗告すると大阪高裁で審理―決定となりますが、少なくともその間は、地裁決定の効力が続き、廃止・民間移管はできません。

 子ども二人が同保育所に通う原告団長の藤原昭生さん(40)は「子どもたちのためにいまの保育所を守りたいという気持ちが裁判官に届いた」と喜びを語りました。


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