2007年2月27日(火)「しんぶん赤旗」
国保証取り上げられ…
受診率、一般の200分の1も
保団連が調査
国民健康保険証(国保証)を取り上げられ、病院窓口で医療費をいったん全額負担しなくてはならない「資格証明書」を交付された人は、医療機関で受診する割合(受診率)が著しく低く、国保証をもつ人の受診率と比べて最大約二百分の一程度にとどまっていることが二十六日、全国保険医団体連合会の調査で分かりました。
調査は、二〇〇五年度について、三十道府県の資格証明書を交付された人の受診率(百人当たりの年間受診件数)を推計し国保証をもつ一般被保険者の同率と比較したものです。
〇五年六月一日現在で資格証明書の交付世帯数が最も多かった神奈川県では、証明書を交付された世帯の受診率は二二・四三で一般被保険者の約三十二分の一でした。
二番目に交付数が多い福岡県では、資格証明書交付世帯の受診率は六・五四で、一般被保険者の約百十三分の一。もっとも格差が大きかったのは京都府で、資格証明書交付世帯の受診率は三・七四で、一般被保険者の約二百分の一でした。
資格証明書の交付世帯には、低所得の世帯が多く、病気になっても窓口で全額負担しなければならない医療費が払えず、受診できない事態が広がっています。手遅れで死亡する事件も起きています。
調査を発表した保団連は、「資格証明書の交付は滞納対策として実施されているが、滞納世帯は年々増加し、その原因が異常に高い保険料水準にあることは周知の事実だ。国民皆保険制度を崩す資格証明書の交付はただちにやめるべきだ」としています。
資格証明書 病院や診療所の窓口で、いったんかかった診療費を全額支払い、市町村で手続きすると保険給付分が払い戻されます。一九九七年の国保法改悪(自民、民主、社民の各党=当時=が賛成、日本共産党は反対)で、一年以上保険料を滞納した世帯にたいし国保証の返還を求めたうえで交付することが自治体に義務付けられました。