2007年2月26日(月)「しんぶん赤旗」

爆弾攻撃で100人超死亡

イラク 大学や大使館付近でテロ


 【カイロ=松本眞志】イラクでは二十四―二十五日、首都バグダッドや地方都市で爆弾テロや武装勢力の攻撃が続き、百人以上が死亡しました。

 二十五日には、バグダッド東部のムスタンシリヤ大学の経済・経営学部の校門付近で自爆テロがあり、少なくとも四十人が死亡しました。

 バグダッド中心部の政府庁舎や米英大使館が集中するグリーンゾーン付近でも自動車爆弾が爆発。一人が死亡、八人が負傷しました。バグダッド南部のイスラム教シーア派住民が多く住むアブディシール地区にもカチューシャ・ロケット砲弾二発が撃ち込まれ、多数が死傷したもようです。

 こうしたなかでマリキ首相は二十四日、二月中旬から実施している米・イラク軍共同の掃討作戦の成果を強調。これまでに武装勢力四百人を殺害し、四百二十六人を拘束したと発表しました。

 バグダッドでは、二十四日にも武装勢力が米軍司令部付近のイラク警察の検問所を襲撃し、八人以上の警察官が死亡。同夜には、同市南部のシーア派教徒が多く住む地域で二十件以上の連続爆破が起き、少なくとも十四人が死亡しました。

 イラク西部のアンバル州ハバニヤでは二十四日、イスラム教スンニ派のモスク(礼拝所)付近の市場でトラックを利用した爆弾事件が起き、四十人が死亡、六十四人が負傷しました。

 現地の住民によると、この事件は二十三日の金曜日礼拝で、宗教指導者がアルカイダ系武装勢力を批判したことへの報復だとされています。ハバニヤに隣接するファルージャでは、この爆弾事件の直前に、米軍が武装集団の爆弾製造に利用されたと主張する化学工場を襲撃しています。

 アンバル州は、アルカイダ系を含むスンニ派武装勢力の拠点といわれています。ブッシュ米大統領が一月に発表した増派部隊二万二千人のうち四千人がアンバル州に向けられます。


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