2007年2月25日(日)「しんぶん赤旗」
法律守らないなんて!「すき家」前、人だかり
青年ユニオン宣伝
「法律通りに残業代を払え」。“若者の街”東京・渋谷で横断幕を広げて抗議する青年の姿―。首都圏青年ユニオンが二十四日始めた労働基準法違反の一掃を目指すキャンペーンです。場所はセンター街にある大手牛丼チェーン「すき家」の前。見なれない光景に足を止める若者たち。すぐに人だかりができました。
メンバーのうち数人が、牛丼を食べに「すき家」の中へ。ユニオンの山田真吾書記次長は、アルバイトの男性と会話をしました。男性は「すき家」で働いて九カ月、六カ月分の残業割増賃金が未払いです。山田さんは「きみの未払い分も組合なら払わせることができる。興味があったら連絡して」と、パンフレットを手渡しました。
横浜市内の「すき家」で働く男性(21)も駆けつけ、宣伝に合流。昨年十月にユニオンに加入したといいます。「最初は、たいした額じゃないし『別にいいや』ってあきらめてた。でも、入ってすぐに法律通りに是正されて驚いた。明細を見て『やったなぁ』ってうれしかった。労働者の権利がすごく大事だって感じてる」
「ちゃんと法律を守らないと、働いた人がかわいそう」というのは、メンバーの訴えを聞いていた女性(21)。「残業代の不払いとか、けっこう多いと思う。八時間を超える分は割り増しがあるって、知らなかった。みんな、しょうがないって言ってても、心の底では『ちゃんとしてよ』って思ってるはず」
渋谷に遊びに来ていた中学三年生の清美さん(15)=仮名=は宣伝を見て「権利とか、知らないことばかり。寒いのに、みんなで力を合わせていてすごい」といいます。友人のはちさん(15)=同=も「こういう人たちがいれば、いい社会になるよ」と話していました。
「すき家」の残業代不払い 労働基準法は、8時間を超える労働(残業)に対して最低25%増の割増賃金を義務付けています。しかし、「すき家」は、法律通りに払っていませんでした。昨年11月、首都圏青年ユニオンに加盟するアルバイト従業員6人が「すき家ユニオン」結成を公表。「すき家」は全店舗のアルバイト1万人に対し、昨年11月分から割増分の不払いを是正しましたが、それ以前の未払い分は払っていません。