2007年2月21日(水)「しんぶん赤旗」
沖縄大学院大の工事受注企業
尾身財務相側に献金
同大学構想の支援 「政治家の義務」と答弁
沖縄科学技術大学院大学構想の予算増額を“助言”した疑いが明らかになった尾身幸次財務相が代表(支部長)の自民党支部に、同大学施設整備関連工事を受注した國場組(沖縄県)が二〇〇三、〇四、〇五年の三年間で合計三十六万円の献金をしていたことが二十日、分かりました。同大学構想の支援について、尾身財務相は「私の政治家としての義務である」という国会答弁もしています。
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政治資金収支報告書によると、國場組は〇三年と〇四年は自民党群馬県衆議院比例区第二支部に、〇五年は自民党群馬県第一選挙区支部に十二万円ずつ献金しています。同衆議院比例区第二支部と同第一選挙区支部は尾身財務相が代表を務める政党支部です。
国会答弁によると、同大学構想を進める、独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構(OIST P・C)から発注した施設整備関連工事はこれまで八件。総額は六億六千万円です。うち、土建工事を受注したのは國場組と大地緑建の二社でした。
内閣府のホームページによると、同大学構想の予算は、〇三年度の十四億二千万円から毎年増えつづけ、〇七年度予算には八十七億三千万円が計上されています。
同大学設立構想は、尾身財務相が、沖縄・北方対策・科学技術政策担当大臣だった〇一年六月、「沖縄の経済発展」「日本の国際化」「科学技術の発展」などをかかげ、「世界に貢献する」として提唱したもの。
〇五年九月には、同大学構想を推進する独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構が発足しました。
尾身氏は担当大臣離任後の〇二年九月末、同大学の運営委員会(ボード・オブ・ガバナーズ、BOG)にオブザーバーとして参加しました。
十九日の衆院予算委員会理事会に、昨年十月二十四日に開かれたBOGに向けた非公式の電話会議を内閣府沖縄振興局が聞き取り調査し、作成したメモ「OIST BOG電話会議(クローズド会議)について(概要)」が開示され、予算配分を決める責任者である尾身財務相が予算増額の“指南”、助言をしていることが浮かびあがりました。
メモには、「尾身大臣からのインプットについての紹介があった」としたうえで、来年度予算の確保に向けて、BOGからの強い要求があれば大きな予算が確保される可能性が高いという示唆があったことなどが書かれています。