2007年2月20日(火)「しんぶん赤旗」
いま話題です「しんぶん赤旗」 (上)
メディアでもネットでも
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年初の「事務所費」スクープで政界に衝撃を与え、メディアの注目を集めた「しんぶん赤旗」(別項)。こんどは、週刊誌がその「赤旗」を正面から取り上げる特集を組み、話題になっています。
『週刊朝日』二月二十三日号の巻頭特集で、タイトルはずばり「追及する赤旗に石原慎太郎が『白旗』?」。
豪華海外出張、四男重用、税金飲食など、乱脈と都政の私物化疑惑が噴出して意気が上がらない石原知事。記事は「その火付け役が天敵・共産党の機関紙『赤旗』とあっては、心穏やかでいられるはずもない。強気でならした御仁の胸中は―」という書き出しで始まります。
石原氏「実像」わかりやすく
共産党都議団の総額二億四千万円を超える豪華海外出張の告発(昨年十一月十五日)に始まり、巨額脱税事件で起訴され公判中の水谷建設元会長と石原知事、三男の宏高衆院議員との関係を指摘した日曜版スクープ(同十二月十日号)、さらに一千万円を超える石原知事の税金飲食の実態を詳報した日曜版報道(一月二十八日号)などを詳しく紹介。「今回のキャンペーンの狙いは石原氏の『実像』を読者にわかりやすく伝えること」だと語る奥原紀晴編集局長のコメントも紹介しています。
同誌のホームページの「編集長登場 今週の読みどころ」のコーナーでは記事のねらいをこう語っています。「実はこの新聞(赤旗)が非常な活躍をして、いろいろなことが明らかになったということをぜひ、お伝えしたかった」
“しがらみの なさが強み”
「しんぶん赤旗」はインターネット上でも話題です。昨年十二月の「しんぶん赤旗」ページへのアクセスは二百四十六万件で過去最高を記録しました。
関心をよんでいる記事は「ホワイトカラー・エグゼンプション」「赤旗まつり記念講演」「夕張市財政破たん」「石原都知事」などです。
ところで、インターネット上のフリー百科事典「ウィキぺディア」では、「しんぶん赤旗」について、「政党機関紙の性格を有しつつも党以外の日本内外の情勢を取り上げる、『一紙で間に合う』一般商業紙並みの情報量が特徴の新聞である」と紹介しています。
そして、「有力企業・団体からの広告収入に依存しないしがらみの無さが強みであり、特に派遣労働者の置かれている実態や偽装請負など、労働問題について詳しく取り上げることが多い」と書いています。
長時間労働野放し、残業代ゼロの「ホワイトカラー・エグゼンプション」の「赤旗」記事が注目を集めるのも、そのあたりに理由がありそうです。(つづく)
最近、メディアが伝えた「赤旗」
「事務所費」問題
▽「政権運営の火種に」「共産党の機関紙『しんぶん赤旗』が問題提起していた」(「日経」1月11日付)
▽「赤旗」3日付のスクープを写真入りで紹介し、「『問題なし』で済ますのか? ずさんな政治資金収支報告書」(『週刊朝日』1月26日号)
▽「その後の各紙の様々な報道は言ってみれば『赤旗』の後追いに過ぎない」(『週刊現代』2月3日号)
▽「与野党幹部のお屠蘇(とそ)気分を完全に吹き飛ばしたのは、三日の共産党機関紙『しんぶん赤旗』のトップ記事だ」(『フォーサイト』2月号)
石原慎太郎都知事の疑惑
▽石原知事の交際費飲食を違法と認定した30日の東京地裁の判決を取り上げ、「これだけではない」「石原都知事の高級接待の真相は」として、「赤旗」日曜版1月28日号の1面記事をアップで紹介。(大阪の朝日放送1月31日夕)
▽「発端は、夫人や特別秘書を伴った海外出張が豪華すぎるという『赤旗』の記事だった。この報道以降、堰(せき)を切ったように石原批判が続いている」(『新潮45』2月号)
▽「吉兆会談と『500万円献金』疑惑は、石原知事の一連の公私混同問題の渦中に赤旗(昨年12月10日付)のスクープで発覚し、各メディアが追随した」(『週刊ポスト』新年合併特大号)
▽「追及する赤旗に石原慎太郎が『白旗』?」「火付け役が天敵・共産党の機関紙『赤旗』とあっては、心穏やかでいられるはずもない」(『週刊朝日』2月23日号)
一連のスクープについて
▽「いまやニュースは『しんぶん赤旗』を中心に回っているといっても過言ではない。『赤旗』が報じた数日後に、『朝日新聞』をはじめとする大新聞が後追い報道するというケースが目立っており、いまや政府関係者も『赤旗』チェックに余念がないのだという」(『THEMIS』1月号)